保護中: 【第30回】「ライラックの花香るころ―中国語を生涯の友として」 「せっかち」という職業病 キンモクセイの咲くころ、その甘い香りに花の存在を感知したまではよかったのだが、その後がせっかちすぎた。木犀(もくせい)、中国語なら“桂花”、そういえば「八月桂花香り…」という中国の歌があったけ。つまり私の思考回路は香りに始まり、中国の民謡のメロディーを思い浮かべたところで終了。だが時すでに遅く、キンモクセイの前を花も見ずに素通りしてしまっていたのだ。こうした職業病...
保護中: 【第10回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから「~ 体のパーツは使える!~」 【会員限定コンテンツ】 2023年もあっという間に終わりましたね。これまで拙文「柴原早苗の通訳ライフハックス!」と「放送通訳の世界」をお読みくださったみなさま、前者は24回、後者は49回続けさせていただくことができました。これもひとえにアクセスしてくださったみなさまのお陰です。この場を借りて御礼申し上げます。本コラム「今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから」でも放送通訳現場で体験したことや...
保護中: 【第4回】薬事の通訳ー医療機器を中心に「新案件の勉強方法、通訳者とどう働くか」 【会員限定コンテンツ】 2024年はじめての原稿です。先月の原稿を書いているときは2024年のことなど、ましてやその始まりがこのようになるとは想像もしませんでした。 令和6年能登半島地震により被災された方々にお見舞いを申し上げます。仕事柄、大きい災害があると、被災地で医療的ケアが必要な方々やそのご家族のことを心配せずにいられません。原稿執筆時点では被災地へのアクセスが分断され、必...
【第3回】フランスとレイシズム「フランスとイスラエル–パレスチナ問題」 みなさま、こんにちは。この連載はフランスにおけるレイシズムの問題を扱うものですが、今回は、事態の緊急性という事情もあり、現在起きているイスラエル–パレスチナ問題(あるいはパレスチナ人ジェノサイド)とフランスの状況についてコメントします。以下、本文です。 10月7日、パレスチナの武装組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃に対して、イスラエルはガザ空爆という形で応じ、いまやこれは3...
【第6回】通訳留学奮闘記~梨花女子大学校通訳翻訳大学院編~「期末テスト、終わりました!」 34歳でハングル文字から韓国語学習をスタートさせ40歳を目前に韓国の通訳翻訳大学院(=通大)に入学した私が、「通訳のための海外留学」のリアルな実態をお届けします。 今回は「2学期の授業とそれぞれの期末テスト」についてです。 あっという間に終わった2学期 9月1日に始まった新学期でしたが、あれよあれよと時間は過ぎ、12月21日に最後のレポートを提出してあっけなく終了となりました。...
保護中: 【第6回】こう訳すか、ああ訳すか、それが問題だ「ささっと読んで不自然さを感じたら…」 訳文を推敲するときは、訳し終わってからしばらく(原文が思い出せなくなるくらいの時間)放置した後で(原文と訳文を対比させることなく)訳文だけを読み返してみることをお勧めします。その理由は、訳してからあまり時間が経っていない場合は、頭の中に原文が残っているため、どうしても原文に引きずられた訳になりがちだからです。訳者は「原文がこうなっているからこのように訳しているのだ」と主張したがるでしょうが、原文...
【2/16】「『Web3業界』に入るなら今がチャンス!通訳者のためのWeb3セミナー」【基礎知識編】 グローバルな市場において現在、通訳者のニーズが急増している「Web3」業界。「インターネット黎明期を彷彿させる、新たな産業となり得る」と注目を集める本業界では、社会における大きな変革が期待されています。日本においても国際カンファレンスが多く開催され始めてきた今こそ、Web3の専門知識を身につけて、通訳者としてのキャリアをもっと広げてみませんか? 基礎から応用まで網羅できる「Web3セミナー...
【2/23】「スポーツ現場での通訳を語ろう」【遠隔】 スポーツビジネスの世界は造語、業界用語、 専門用語が入り乱れていますが、 その言葉だけを知っていても仕事にならない業界です。スポーツビジネスは言語力にプラス、 マネジメント力がなければなりません。マネジメント力がない通訳では最終的に選手が混乱を起こしてしま います。 また、何よりもアスリートに寄り添う気持ちが大切です。「アスリートのベストフレンド」 でもあるべき姿勢が求めら...
【第20回】手話通訳士への道「法令にみる手話通訳(士)のあり方と手話通訳士の危機的状態-その2」 1.社会保険と税 前回、「みんなの負担」と言われている「税」を財源に働く公務員のあり方、仕事のやり方が人権保障にあることを紹介しました。 これまで触れてきたように、国民の必要を満たすために、みんなで負担し合う税の仕組みは憲法が描く社会をつくるための原資です。みんなで負担し合い、支え合う財源である税は、国会で決めた法に基づいて強制的に徴収されます。なぜ強制的に徴収できるのかについて、神...
保護中: 【第29回】「ライラックの花香るころ―中国語を生涯の友として」 言葉の壁 わたしがエージェントから依頼される仕事は概ね中国大陸関連で、台湾はおよそ一、二割程度である。 1990年代に台北と東京で交互に開かれていた「アジアオープンフォーラム」では、何回か通訳を仰せつかった。台北での会議のときだった。昼休み大食堂で食事をしていると、隣の丸テーブルから若者の声が聞こえてきた。「ねえ、会議の通訳者はみんな大陸から来たんじゃないかしら?」「そう、そう、絶対...