8月 2024

【第10回】通訳留学奮闘記~梨花女子大学校通訳翻訳大学院編~「教授って、本当に人間なのでしょうか」

 34歳でハングル文字から韓国語学習をスタートさせ40歳を目前に韓国の通訳翻訳大学院(=通大)に入学した私が、「通訳のための海外留学」のリアルな実態をお届けします。  今回は「圧倒的実力を誇る我らが教授陣についてのお話」です。 隙のないプロ集団  入学してまず驚いたのは、教授陣の卓越した(という表現すら失礼になるほどの)言語能力でした。  例えば教授陣が日本語・韓国語両方...

保護中: 【第16回】この台詞に注目!映像翻訳の楽しみ方『チャレンジャーズ』

【会員限定コンテンツ】 映像翻訳者の松本陽子です。配信作品を中心に字幕翻訳と吹替翻訳を手がけています。映画を見るのが大好きで、2023年は映画館で180本ほど鑑賞しました。動画配信サービスでも多くの作品を見るなかで、すばらしい訳に出会い、「この見事な技術を身につけたい」と思ってきました。そんな日本語訳を、ご紹介します。 第16回の作品は『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督...

保護中: 【最終回】安全保障と防衛の日英通訳「同盟国・同志国との連携 ―後編」

【会員限定コンテンツ】 日本の防衛戦略には、①日本の防衛体制の強化、②日米同盟による抑止力および対処力、③同志国との連携の3つのアプローチが挙げられています。1つ目のアプローチとして、防衛省は反撃能力の保有や次期戦闘機の開発など防衛力の抜本的強化を進めています。前回の記事「同盟国・同志国との連携 -前編」では、2つ目の日米同盟や日米安全保障協力を中心にまとめました。本連載最終回となる今回は...

鶴田知佳子と考える「通訳をするということ」

この秋から、日本を代表する通訳者であり、研究者としても長きにわたり最前線を走り続けてきた鶴田知佳子さんを迎えて、「通訳をするということ」について様々なゲストと語り合うイベントが始まります。若手からベテランまで、通訳のリアルに関心がある方はぜひご参加ください。 第1回「スポーツ通訳」 9月29日(日)14:00-15:30ゲスト:平井美樹 第2回「放送通訳」 11月2日(土)1...

保護中: 【第18回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから「そしてまたもや直訳意訳問題」

【会員限定コンテンツ】  今年の猛暑は異常でしたね。日本だけでなく、全世界的に前例のないお天気になっています。オーストラリアに住む私の友人も、「8月は例年にない寒さだった」と述べていました。  近年のこうした天候も考慮しているのでしょう。かつて日本の運動会・体育祭は秋の風物詩でしたが、昨今では春におこなうケースも増えています。そう考えると、夏季五輪もこれからは南半球で実施する方が合理...

保護中: 【第8回】フランスとレイシズム「パリ・オリンピック、誰のため?」

【会員限定コンテンツ】  この夏のパリで、オリンピックとは何なのだろうかと改めて問わずにはいられない。そこには多くの要素が混在しているため、一言で形容することは難しい。ただ、それが単なるスポーツの祭典などではないということだけは確かだ。  この疑問を抱くのは初めてではなかった。2021年、遠くの地から東京オリンピック開催の報を知り、「やはりやってしまったか」と思いはしたが、そうはいっ...

吉岡余真人「機材エンジニアから見る通訳ブースマナーについて」

この度はこのような執筆の機会をいただき、誠にありがとうございます。 私は1989年(平成元年)から約35年間、通訳機材のエンジニアとして、通訳ブースの隣で、通訳者の皆さんが通訳する音声を最高の音質で参加者に届けるため、日々奮闘しております。 今回は、機材エンジニアから見た通訳ブースマナーについてお話しをしたいと思います。 1.資料の取り扱いについて 皆さん会議が終わったあ...

保護中: 【第11回】薬事の通訳ー医療機器を中心に「業の責任(総論) 」

【会員限定コンテンツ】  前回までは大まかに分けて薬機法上の製品の取り扱い(どのように製品の有効性・安全性を証明するか)について書いてきました。今回からは、製品そのものから視点を変えて、品質管理に関することに触れていきます。 製品の検証だけでは不十分  製品の有効性と安全性を根拠とともに説明するのが大切で、そのための手続きはどのようなものかと過去10回かけて説明してきました。項...

保護中: 【第18回】あの通訳研究って、実際どうなの?「機械は人間にとって代わるのか?―機械通訳の可能性」

【会員限定コンテンツ】  8月になりました。猛暑どころか酷暑と言いますが、これだけ気温の高い日々が続くと、まさに「地球沸騰化」を実感します。救急車を見かけることも多くなりました。  また、このところ株価の乱高下、為替の大幅な変動など、どこを見ても通常とは異なるレベルで物事が動いているようです。  加えて、7月末から始まったパリ五輪では、審判やルール適用に様々な疑念が報道...

保護中: 【第4回】映像翻訳家インタビュー 風間綾平さん「PART3:会長と講師と人気コラム」

【会員限定コンテンツ】 PART3: 会長と講師と人気コラム ―風間さんは映画翻訳家協会の会長をされていますね。昨年度から引き続きということで2期目ということでしょうか? 会長のお仕事は大変ですか? 風間 いや、まだ1期目です。1期が3年なので。 会長の仕事としては、プラットホームが増えて複雑になりました。たとえば昔なら劇場公開してパッケージ化して終わりだったんですが、今...

保護中: 【第4回】映像翻訳家インタビュー 風間綾平さん「PART2:差別用語と歌詞の字幕」

【会員限定コンテンツ】 PART2: 差別用語と歌詞の字幕 ―『ブラック・クランズマン』(2018年)についてお伺いします。 1970年代に黒人刑事が白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」に潜入捜査した実話を基にした映画です。監督がスパイク・リーということもあり、差別用語がバンバン出てきますが、日本語でもかなり思い切った訳にしていますね。 原音)Since...

保護中: 【第4回】映像翻訳家インタビュー 風間綾平さん「PART1:調べ物に酔うな」

【会員限定コンテンツ】 約1年半ぶりとなる映像翻訳家インタビュー! その間、私(岩辺)は「映像翻訳者の会 Wakka」を仲間と立ち上げ、無事に1周年を迎えました。JACIの皆さまには昨年(2023年)のフォーラムや合同納涼会で大変お世話になりました。この場を借りて、お礼を申し上げます。 さて、4人目にお迎えするのは映画翻訳家協会の会長であり、講師でコラムニストの風間綾平さん。お会いす...

保護中: 【第17回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから「どの動物?」

【会員限定コンテンツ】 このコラムを書いているのは7月中旬。その数日前にトランプ氏が狙撃されるという衝撃的なニュースが発生しました。ケネディ氏やレーガン氏が狙われたときの映像は、「歴史的資料映像」として観たことはあります。しかし、私自身が生きる今、つまり、この2024年においてそのようなことがアメリカで生じたとはにわかに信じがたいことでもあったのです。 狙撃事件の当日、私は横須賀の千...