【第4回】日英通訳者がソウル大学校語学堂に留学してみたら「大人留学のすすめ」

여러분, 안녕하세요! 皆さん、ソウルからと言いたいところですが、今回は東京からこんにちは。日英通訳者の古賀朋子と申します。11月の末からソウル大学校の語学堂に短期留学をしていました。今回の連載では2ヶ月半の留学を振り返ってみたいと思います。

日本からの友人を迎えてたっぷり遊んだ後に、旧正月の連休に突入したわけですが、連休が明けてしまえば1週間後には期末試験ということで、旧正月当日に寒い中散歩に行ってみた以外はほとんど家に閉じこもって勉強していました。完璧にできていないのに言うなと言われそうですが、最後の方は飽きていました。(試験勉強って必要悪だけど面白くないですよね?)

最後の1週間は極寒で、毎日のように最低気温が−10℃を下回る中、最後のロールプレイ、総復習の授業に続き、期末試験を迎えました。二度目の試験で様子が分かっていたので、中間試験の時ほど緊張せずに受けることができました。授業が終わってしまいクラスメートとも会えなくなるので残念だった反面、試験はただただ早く終わって欲しかったです。

期末試験のみの結果は発表されず見ることはできないのですが、最終成績はAでした。満点とはいかないまでも自分の事前の予想を超える良い成績をもらうことができて、ちょっと嬉し泣きをしました。嬉しいのが半分、ほっとしたのが半分です。他の多くの学生のように大学や大学院に入学するという目標もなく、趣味の延長でここまで来たので、自分にプレッシャーをかけるのも、叱咤して勉強させるのも自分しかいなかったわけですが、性格上なかなか大きいプレッシャーを感じながら過ごしてきた2ヶ月あまりでした。

大人の留学の参考になるかもしれないので、少し細かいことを振り返ってみると・・・。

分かりきったことですが、ネット環境が整っていればオンラインで通訳の仕事ができます!この点はすごく大事で事前に色々と確認をしました。寄宿舎は旧正月の夜を除いては大体静かで心配していた仕事の環境の心配は皆無でした。

食事はどうしているのかよく聞かれました。学校の食堂で食べたのはたったの三度でした。誰かと外食の約束がある時以外はほとんど家(寄宿舎)で食べていました。日本にいる時もそうなんですが、家が好きで早く家に帰りたい性分なんですよね。一応キッチンもありましたが、基本的にはレンジでチンするご飯と、市場で買ってきたおかずに、ちょっとした卵や野菜、豚汁(レトルト)、くだものなどを追加して食べていた感じです。冷凍餃子もまあまあの頻度で食べていたと思います。体重計がなく分からないのですが、韓国で2キロ痩せてました!(でも帰国して戻るかもしれません。笑)一番多く食べていたものはご飯とゆで卵ではなかろうかと思います。こう書くと貧しい食生活でかわいそうと思われそうですが、私は普段から時間がもったいなくて同じものを食べていることが多いので、正直なんとも思いませんでした。市場でお気に入りのおかず屋さんを見つけて、そこのおかずをいつも買っていたので全く問題ありませんでした。あと、優しい友達がおかずを作ってくれたりもして、感動・・・。

ちょっと辛かったのは寮のトイレでトイレットペーパーを流せなかったこと。(留学エージェントから流さないように言われました。同じ寮に住んでいたことがある人から「少しずつ流せば大丈夫」と言われましたが、万が一詰まったりしたら絶対に嫌なので、最初の頃慣れなくて忘れてしまった数回を除けば流さず、袋に溜めて捨てていました。ちなみに韓国の飲食店はトイレットペーパーが流せないところも結構多いです。左右を見てトイレットペーパーが入った容器が置かれていたら、そういうことです。気をつけましょう!

もう一つ辛かったのはシャワーの温度調整が結局最後までうまくいかなかったこと。大部分の時間を、手がしもやけになりそうな冷水と火傷しそうなお湯の間を行ったり来たりの毎日でした。また寄宿舎なので致し方ないのですが、浴槽がなくてこれも辛かったです。(でも寄宿舎に限らず韓国は浴槽のないところも多いようですね。)部屋がオンドル(床暖房)のおかげで暖かかったので、まだ良かったですが、そうでなかったら耐えられなかったかもしれません。

2ヶ月半の期間限定だから我慢できたのかもとは思いますが、学校から近いところで個室に住むことができて、誰かと共有しなければいけないものもなく良かったです。ちなみに人生で初めての寮生活だったので、これはこれでとても貴重でした!すぐ近所にマートがあり、少し歩けばスーパーもあり、ちょっと遠いけど市場もあり、ちゃんと生活できました。ソウル大のあたりは決して都会ではないですが、勉強しに行っていたので別に不満もありませんでした。というか不満を感じそうな人は多分他の大学を選ぶでしょうね。

留学生活全体を振り返ってみると、最初は授業の進め方から近所に何があるのかから、本当に分からないことだらけで戸惑っていましたが、本当に多くの友人たちに助けてもらいました。以前から知っていた友人もしかり、新しくできた友人もしかり。彼らに「偉い、頑張っている、上手くなっている」とおだてられ(?)2ヶ月半を乗り切れたと思います。(しかし語学堂で1級から6級までストレートに行く人だとこれを1年半、途中で留年などすれば、最長で3年続けるのだと思うと、ちょっと卒倒しそうですが。)

仲良しの友達もできたし、アミ活もできたし、以前からの友達にも会えたし、日本から遊びに来てくれた友達と楽しく遊べたし、(仕事もしたし)本当に充実した留学生活でした。授業中やその他の活動にあたって、アメリカに留学していた時とは比べ物にならないぐらい積極的に臨んだと思いますが、それもBTSと彼らを応援する活動の中で得た勇気と決心があったからでした。私の後半の人生を変えてくれたと言っても過言ではないと思います。

本当に本当に留学して良かったです!決心した自分と、背中を押してくれた親友、家族や友人たちのサポートに感謝します。またご迷惑をおかけするにも関わらず理解し応援してくださった仕事関係の皆様にも感謝をお伝えしたいです。

かつてアメリカに留学した時もそうでしたが、自分がどうしてもしたいことを、心のおもむくままに追いかけている時ほど充実して楽しい時はありませんね。たとえ苦しくて大変だったとしてもです。今のタイミングで、またそんな経験ができて本当にラッキーでした。もし少しでも留学してみたいと思っている方がいたら「いつか」なんて言わずにすぐに実行して欲しいです。私の次の「いつか」はもしかしたら思ったより早く再び訪れるかもしれません!


古賀朋子

フリーランス英日通訳者。千葉県出身。英会話学校で主任講師などを務めた後、2002年に渡米。モントレー国際大学院(現ミドルベリー国際大学院)にて会議通訳修士号を取得。ホンダのアラバマ工場で社内通翻訳者として勤務。2010年に帰国後、製薬会社、損害保険会社、MLM企業の社内通翻訳者を経て、2020年1月より本格的にフリーランス通訳者に。主な専門分野は自動車、製薬。DEI、サステナビリティ、市場調査、マーケティング、ファッション案件なども担当。2024年11月末よりソウル大韓国語教育センター(語学堂)に留学中。