【第26回】現役通訳者のリレー・コラム「表敬訪問の通訳」

(執筆・山下朗子)

過去の連載にはフリーランス通訳者の方からの投稿が多いですが、私はインハウスでの通訳経験が比較的長く、現在も企業の社内通訳です。今回は直近まで勤務していたある自治体での経験をもとに、海外の賓客をお迎えする場面での通訳、というテーマをメインにお届けします。

私は学生時代の海外滞在経験もなく、社会人になって通訳学校に通い始めるまでは通訳者になろうとは考えていませんでした。ただ、英語は好きだったので、20代後半に「一生続けたい仕事は何か」と改めて考えた際に通訳が頭に浮かび、仕事の傍ら週一で都内の学校に通い始めました。ビジネス英語のクラスからスタートした後に通訳クラスに進級し、合計で9年かけて卒業しました。今日まで英語を話す生活環境になかったことは、自己責任もあるものの、通訳を目指す者としてはあまり恵まれていないなぁ、と思うこともありますが、それでも今通訳を生業とし、好きな仕事を続けられることを幸運に思います。

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