【JIF2018】仲田紀子「『壁をとっぱらえ!』建設現場からコミュニケーションを考える」
仲田紀子
同志社大学文学部英文科卒。会議通訳者。通訳デビューは長野オリンピックの公式競技通訳。某テーマパーク建設時の社内通訳を経てフリーランスに。司法、大学、企業などで会議通訳としてキャリアを重ねるも、建設現場の通訳の楽しさに魅せられ、今はヘルメットに安全靴で出勤する毎日。JACIのホームページでコラム「建築現場は今日も晴れ!」を連載中。
「壁をとっぱらえ!」建設現場からコミュニケーションを考える
国際会議やシンポジウムでブースに入って行う同時通訳。それこそ通訳者の華と信じ、その頂きを目指して通訳の勉強に励んだり、日々技術の研鑽をかさねている方も多いのではないでしょうか?私もそんな通訳者に憧れ、会議通訳者になった一人です。そして通訳デビューから20年。かつて憧れていた同時通訳者になって国際会議で通訳している自分‥でも、あれ、想像していたほど楽しくない?これが私の本当にしたかった通訳?そんな疑問と満たされない想いを抱えていた時、脳裏に蘇ったのが、埃まみれになりながらドリルの音に負けないように大声を張り上げて通訳していた現場での日々でした‥。
建設現場の通訳の面白さは、人と人とのコミュニケーションに尽きます。言葉だけでなく、考え方も文化も全く異なる者同士がストレートにぶつかるのが現場です。今後10年間は需要が途切れることがないと言われている建築通訳の現状と展望、そして通訳の使命とは何かを考えます。