第21回|祝☆20回大感謝祭!!ガジェット天国 Ver.1.1.2
Posted August 28, 2018
前回に引き続き、過去に取り上げたアイテムの「その後」や「さらに便利に使いこなすアイデア」をお届けします。後編となる今回は、第8回以降の記事の「アップデート」です。
Apple Watchを使い始めて1年半以上経ちますが、相変わらず「Suica」には毎日お世話になっています。
電車やバスの移動はもちろん、駅ナカ・コンビニでの買い物にも大活躍。リーダー(読取機)を設置するお店も増えて、日本のキャッシュレス決済の柱の一つになりつつありますね。
Google Payや「東海道・山陽新幹線」への対応など、グッド・ニュース目白押しのSuica。…なのですが、手放しでは喜べない面も。
東海道・山陽新幹線を予約できるよう、いざ設定をしようとすると、便利さより先に「JR東」と「JR東海」の間の壁に驚かされます。一方、モバイルSuicaとGoogle Payの関係も今ひとつ分かりにくいです(いずれもAndroid向けですが、JR側が発信する情報だけではどう使い分けるべきか判断に悩みます)。とにかく全てが「縦割り」で「複雑」なのです。
この件については、今回の記事では書ききれないので、別の機会に詳しく取り上げます。
第9回 発表!!アプリ大賞2016☆
もしまた「アプリ大賞」をやるなら、グランプリは間違いなくこれでしょう。
Love your email again
Readdle Inc.
過去の記事でも何度か取り上げたことのあるメールアプリです(残念ながらAndroidには未対応です)。
…などなど、多忙なユーザーに嬉しい工夫が満載ですが、今回お勧めしたいのは、新機能「メールへの共有リンク」です。
その名の通り、一連のメールのやり取り(スレッド)を他のユーザーと「共有」するための機能ですが、後からメールの中身を「自分で確認」したい時にも重宝するのです。
通訳派遣会社とのやり取りにEメールが普及した昨今、仕事の依頼(以後「案件」とします)の状況はメールのやり取りとともに変化していくことがほとんど。しかも「仮案件」という新たな(かつ残念な)商習慣が定着し、案件の管理は複雑化する一方です(筆者渾身の作・下図を参照のこと)。
「X月Y日空いていますか」と聞かれ、その日に既に案件が入っていたとします。ダブルブッキングを避けるには、その案件に関する「メールのやり取り」を確認するのが最も確実ですね。カレンダーに書いた予定に自信が持てなくて、Eメールの送受信箱の中を読み漁った経験があるのは筆者だけではないはず。
Sparkではメールの一連のやり取りを「チャット」として扱います。このチャットのリンクをカレンダーやメモアプリに貼り付けておけば、リンクをクリックするだけでやり取りの中身をいつでも確認することができます。
何がすごいって、リンクを作成後に交わされたやり取りもチャットにどんどん追加されていくこと。つまり、いったんリンクを貼り付けてしまえば、毎回状況が変わるたびにカレンダーの予定を書き換えなくても、常に最新の状況を追跡できるというわけです。
《操作手順》
1. メール右下の[…]ボタンをタップ。
2.「リンクを作成」をタップ
3. カレンダーのメモ欄に貼り付けたリンク。これをクリックすると、Sparkに飛んでメールのスレッドが見られます。
第9回の記事では「自分にLINEメッセージを送る方法」についても書きました。これに関して少し補足しておきます。
「備忘録を書いたら自分にメールすると良い」とよく言われます。家族や友達との連絡にLINEを使う人は、LINEでそれができれば理想ですね。
最近は「ひとりLINE」といって「自分一人だけのLINEグループ」を作って備忘録にするのが流行っているようです。ただ、これだと「送った瞬間に既読」となるため、書きっぱなしで放置してしまう可能性があります。
理想は「あたかも他人が送るようにして」自分で自分にLINEメッセージを送ること。これならバッジ(アイコン右肩の赤丸数字)が表示され、見落とすことがありません。書いたことすら忘れてしまっていても、誰かからメッセージが来たのかと思って見るでしょうしね。
ただ、これはそう簡単なことではありません。LINEは電話番号でアカウントを管理しているため、基本的には1人で1つのアカウントしか持てないからです。
「IFTTT」というアプリを使えば、それが可能となります。ただ、やり方が少々ややこしいので詳しいマニュアルを作りました。興味のある方は参考にしてくださいね。
コクヨ 針なしステープラー ハリナックス ハンディ 10枚とじ 白 SLN-MSH110W
たまたま手に入れる機会があり、何の気なしに使ってみたところ…すっかりハマってしまいました。とじられる枚数に限りがありますが、針を使わないので、なんだか「良いこと」をしている気分(笑)。
派遣会社の指示書や集合場所の地図、日程表、交通費の領収書などをまとめるのに使っています。
第11回 困った時のお助けアイテム(前編)
この回でご紹介した「探しもの発見グッズ」が大ブレイク中?!商品の選択肢も増え、先日立ち寄った某電器店には専用のコーナーができていたほど。
どの製品にも「他のユーザーのスマホを検知器にして『失くし物』の位置を特定する」いわゆる「コミュニティ機能」がありますが、残念なことに、コミュニティ間の互換性は無し。試しに「Tile」のアプリを入れて「Wistiki」を呼ぼうとしてみましたが、設定の時点で先に進めませんでした。
そろそろコミュニティを「統合」または「連携」してほしいところです。携帯電話だって、docomoはdocomo同士、auはau同士でしか通信できず、加入者コミュニティの大きさで競い合っていたなら、ここまで普及はしなかったはず。
理想は、コンビニや公共交通機関なども巻き込んで「統合プラットフォームとしての整備」が進むこと。各社の競争は「ハードウェアの機能やデザインの差別化」で図ればよいのです。これが実現すれば、飛躍的に成長する可能性を秘めていると感じます。
そんな中、マモリオの取り組みは先進的。今後の展開が楽しみです。
第12回 困った時のお助けアイテム(後編)
この回では、会議の前の打ち合わせで「演者のパソコンに見慣れないプレゼン資料を発見」した時の対処法を書きました。それが印刷や手書きされた「紙」だったら…さぁどうしましょう?!
そんな時お薦めなのがこちら。数ある「スキャナー・アプリ」の中でも人気が高く、すでに愛用している方も多いんじゃないでしょうか。
Camscanner | Document Scan & Fax
OCR & PDF Creator
INTSIG Information Co.,Ltd
「共有」機能を使えば、スマホやタブレットのカメラで撮影した文書をPDF化して、別のアプリに送ることができます。送ったPDFを手書きノートアプリで開けばApple Pencilで書き込みできるので、通訳するときに便利です。
「共有機能」のボタン
一連の操作を動画にしました。ほぼノーカット。プレゼン直前の「一刻を争う場面」でも十分使えるスピードをご覧ください。
第13回 自転車操業者の皆様へ贈る?繁忙期を華麗に乗り切るためのアイテム?
この回でご紹介したメールアプリ「4th Office」が「Loop」と名前が変わり、デザインも一新しました。
Loop – The Email Messenger 4+
Team messaging in your inbox.
Marg UK Ltd.
機能面での大きな変更はありませんが、特筆すべき点が一つ。筆者が上海に滞在中、唯一Gmailを受信し続けてくれたのが、この「4th Office」だったのです。アップグレード後の「Loop」では未検証ですが、渡航前に入れておいて損はないと思います(中国のネット規制については前回の記事を参照のこと)。
2018年の年初に発表された受賞ワードは、それぞれ以下の通りでした。
忖度
インスタ映え
説明するまでもありませんね。特に「忖度」は通訳者も巻き込まれての騒動にもなりました。
American Dialect SocietyのWord of the Year
fake news
あれ、聞き覚えがあるぞ、と思った方…その通りです!
実は、Collins DictionaryのWord of the Year (WOTY)も同じく「fake news」でした。こちらは年末に選出されるため、前回の記事で既に紹介済みです。
Oxford DictionaryのWord of the Year
youthquake
1960年代に生まれた造語で“youth(若者)”と”quake(震動)”を合わせて”earthquake(地震)”とかけています。若者を「震源地」とするムーブメントとでも言いましょうか。元々はファッションや音楽のトレンドを表す言葉でした。2017年のWOTYに選出された背景についてはGQ JAPANの素敵な記事がありますので、そちらをご参照のこと。
第15回 ☆年末特別企画☆仕事納めが待ちきれない!?「閑散期」は読書三昧!!!
この回でご紹介したマンガ『女騎士、経理になる』には、その後「7巻」が出ました。「8巻」は9月22日前後に発売予定です。続きが気になる方は、ぜひご一読を!
お気に入りのコミックは、ベルアラートというサイトに登録すると発売日をメールで知らせてくれますよ。
第16回~19回 新年特別記念号☆全部見せます!!ヲタクの仕事道具
仕事道具といえば、先日パートナーを組んだ通訳者が、なんと自前のマイクスタンドを持っていらっしゃいました。
じっさい、会場によってはマイクスタンドが用意されていないことがあります。そうすると、常に左手でマイクを持って右手でメモを取り、資料のページをめくりながら通訳する羽目になります。そんな時、MYマイクスタンドがあれば重宝しそうですね。
「あなたなら自分で作れるわよ(笑)」と言われ、真に受けて自作してみました。自宅にあったスマホ用自撮り棒に「土台」と「マイクホルダー」を取り付けて改造したのがこちらです。
簡単そうに見えますが、実は苦労しました。「自撮り棒(カメラの世界)」と「マイクホルダー(音楽の世界)」では、ネジの規格が異なるので、そのままの状態では組み立てようにもサイズが合わないのです。調べてみると、どうやら音楽業界にも「カメラの三脚に音楽用機材を取り付けたい」というニーズはあるようで…なんと両者をドッキングさせるための「ネジ」が存在しました。これがあればバッチリ!!
自作してみたいという方のために、その他の必要な材料を書いておきます。
ちなみに秋葉原ラジオ会館のトモカ電気プロショップはネジが安いですよ。お近くの方はぜひ!
マイクホルダーを外し、自撮り棒付属の「スマホホルダー」に戻せば、パナガイドも装着できます。一台二役のスグレモノ!!これのおかげで、毎日仕事に行くのが楽しみで仕方がありません(笑)。
というわけで「祝☆20回大感謝祭」はこれにて閉幕…。次回からまた心機一転、平常運転(今度こそ!笑)にて皆様のお役に立てる情報を全力でお届けして参りますので、今後ともよろしくお願い申し上げます!!
平山敦子
Atsuko Hirayama
会議通訳者。得意分野は司法、軍事、IT、自動車など。元米国大統領、経済学者など著名人講演の同時通訳も多数。この仕事を目指したきっかけは大学在学中のアルバイト。スポーツイベントのバイリンガルスタッフとして働いていたが、ある日現役のプロ通訳者と同席、その仕事ぶりを目の当たりにし衝撃を受ける。
「私もこんな風になりたい!」とアルバイトに精を出す(?!)うちに、いつしかそれが仕事に。通訳界では知る人ぞ知るガジェットおたく。パフォーマンスを最大化してくれる優れモノの道具を求め日々研究中。