【JIF2015】デレック・ウェスマン「技術を超えるもの~通訳に付加価値を」
技術を超えるもの~通訳に付加価値を
医療機器業界は好景気に沸いている。長らく停滞している日本経済を活性化するために安倍政権が発表した成長戦略の中でも 医療機器は大きな成長機会として見込まれている。この流れに乗るべく、多くの医療機器・製薬企業が米国や他の重要な市場に事業展開を進めているのが現状で ある。これはつまり、FDA査察や他の監査が今まで以上に増えるという意味でもある。FDAや規制当局、関連機関や査察官との円滑なやりとりには、専門知 識と経験を有する通訳者の介入が必要になるが、私は自分が「介入アプローチ」と呼ぶ通訳法を活用してクライアントの思いを理解し、適切なメッセージとして 発信している。業界のニーズという意味では、通訳者の出番は規制当局とのやりとりだけではない。グローバル市場を理解し、必要に応じて適応し、そして優れ た結果を残すために、一部の医療機器・製薬企業は外国人を役員に迎えて意思決定の多角化を図っている。当然だが、ここでも通訳者の役割は重要である。本 セッションではこの分野での通訳に興味がある参加者に対して、現場で役立つ情報やヒントを提供する。
デレック・ウェスマン
医療機器業界と製薬業界に特化したコンサル、翻訳、通訳を行う株式会社蛇滝商会の代表であり、完全バイリンガルの会議通訳者。2008年から日本の大手医療機器・製薬会社のFDAとISO13485関係の対応支援を行い、これまで数十回に上るFDA監査をはじめ、多数の内部・外部監査に立ち会ってきた。蛇滝商会の通訳者は代表以下、製品開発会議、役員会議、株主総会等、医療機器・製薬会社に対して包括的な通訳サービスを提供し、品質マニュアルやSOPの翻訳も取り扱う。