【JITF2020】ダニエル・ジル「通訳の努力モデル:振り返りとこれから」
ダニエル・ジル
ダニエル・ジルは元々、数学を専攻していたが、学業の傍ら(独学ながら)技術翻訳者として、そしてリエゾン通訳者として仕事を始めた。その後、パリの国立通訳翻訳高等学院(ESIT)で学んで会議通訳者に転身し、AIICに入会。翻訳・通訳を教えるようになってから、翻訳・通訳研究に取り組む必要性を感じるようになる。まず日仏翻訳者・通訳者の訓練に関する研究で博士号を取得し、後に通訳における認知的課題に関する広範な研究でも博士号を取得。会議通訳者・研究者として約40年の経験を有し、多数の論文・著書を持つ。世界各地で講義・講演を行い、現在はソルボンヌ・ヌーヴェル – パリ 3大学の名誉教授。詳細な実績はこちらから。
通訳の努力モデル:振り返りとこれから
本講演では、講演者の意味の理論との出会いとそれをさらに深掘りする取り組みから、努力モデルの同時通訳への適用、さらには手話通訳への適用へと、努力モデルの歴史を説明する。この他にも、通訳の実証研究に基づき、努力モデルの基本的理念、努力モデルと認知心理学の関係、実際の使用例と他の使用可能性、通訳理論としての位置付けなどについても語る。