【JITF2020】高橋さきの、白倉淳一「通訳・翻訳・ことば――「語順」を手掛かりとして」
高橋さきの
特許翻訳、学術翻訳、評論など。英日・日英の翻訳歴36年。「日本語の読み・書き技術」や「翻訳技法」について話すことも多い。訳書に『できる研究者の論文生産術』『できる研究者の論文作成メソッド』(講談社)、『猿と女とサイボーグ』(青土社)など、共著書に『翻訳のレッスン』『プロが教える技術翻訳のスキル』(講談社)などがある。
白倉淳一(しらくら じゅんいち)
日系企業で会計・人事等を28年経験の後にフリーランス日英通訳者に転向。基礎的な訓練を継続しつつ現場という短距離走を繰り返す通訳の仕事がすっかり気に入る。JACIでは皆が苦手な財務・会計担当理事としてバックオフィス担当。
通訳・翻訳・ことば――「語順」を手掛かりとして
翻訳者が「ちょっと通訳お願い」と頼まれたり、通訳者が「この資料訳しておいて」と言われたり。翻訳者も通訳者も内輪の集まりでは「翻訳と通訳は違うんだけど、わかってくれない人多いね!」と盛り上がるのはいつものこと。しかし、異なる言語を扱うのが使命という根本のところは大きな共通点です。
JACIの夏のイベント、今年は「日本通訳翻訳フォーラム」として実施です。翻訳者と通訳者の「ジャムセッション」のチャンスかもしれません。隅田川の花火大会で出会った翻訳者と通訳者が、共に心を砕く「語順」についてお話しします。
異なる言語間では、どんな組み合わせであれ、語順(語句レベルだったり節レベルだったり)が異なるのは必然です。翻訳でも通訳でも、この問題からは逃れられません。同時通訳を聞けば、課せられた制約ゆえの極端な例に気づくでしょうし、翻訳でも「原文が透けて見える」ような、いわゆる「翻訳調」の訳文を見かけることもあるでしょう。
このセッションでは、翻訳者の高橋さんが豊かな経験と鋭い目のつけどころから語順問題のやっかいさ・翻訳における方策を語り、通訳者の白倉はそこから通訳者が学ぶ点を取り上げていきます。(白倉記)