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【第22回】わたしの通訳修業

松本由紀子さん update:2017/05/01 通訳業を仕事にしてから、あっという間に成人式を迎えるほどの年月が経ちました。 その間、思い返せば山あり谷あり、うまくいったこと以上に失敗したことも数々あり、自分なりにいろいろと経験をしてきました。まだまだ未熟者ですが、やりがいのある仕事に出会えて、自分は本当に幸運だったなと思います。今回、このような機会をいただき、通訳者になろ...

【第21回】イギリスの通訳業界事情

坂井裕美さん update:2017/03/28 皆さん、初めまして。わたしはロンドン在住の英日通訳者で坂井裕美(ひろみ)と申します。働きながら大学院の会議通訳コースにも通っています。小・中・高校生の3人の子どもを持つ年季入りのおばさんではありますが、通訳歴はまだ4年半です。 つまり、わたしも今、流行り(と勝手に決める)の「中年過ぎの通訳者デビュー」だったのです。それ以...

【第20回】大学院で同時通訳を学ぶということ

藤井里咲さん update:2017/03/01 はじめまして。この春に東京外国語大学大学院 英語通訳翻訳実践プログラムを卒業予定の藤井里咲と申します。私はプロの通訳者ではなく、大学や大学院で通訳訓練を受けてきた一学生ですので、本コラムを執筆する機会をいただいて驚くとともに大変光栄に思います。 一般的には、日本で通訳者を目指すなら大学院よりも民間の通訳学校に通う場合が多...

【第19回】わたしの転機。そして、「ずっと長く道は続くよ」

橋本佳奈さん このコラム執筆のお話をいただく少し前、実は、通訳の仕事を辞めたいと悩んでいました。 「本当は人前で話すことは得意ではないのに」などと、心の中でいつも苦しんでいました。でも、依頼がくると、反射的に「はい」と言って引き受けてしまう。そして、仕事の当日までもがき苦しむ。そんな繰り返しでした。「楽な仕事は世の中にはない」、「私を必要としている人がいる」「今の私にできる仕事はこれ...

【第18回】感性を活かした通訳:クリエイティブ業界の場合

佐藤由香さん update:2017/01/10 クリエイティブ業界で社内通訳を始めた時から意識していたのは、自らの感性を支えに通訳することでした。自分にとって感性とは、英語を習得する前に、音楽を通して培ってきたものであり、語学分野への進路を選ぶより前、バイオリン演奏における訓練を通して身に付いた感性こそが、通訳業務においてパフォーマンスの支えとなってきたのです。通訳キャリア第1章と...

【第17回】社内通訳の世界

中村いづみさん update:2016/12/01 私は現在フリーランスの通訳者ですが、過去に数多くの企業で社内通訳をしてきたことから、「社内通訳とは」というテーマでコラムを書いてほしいという依頼をいただきました。多様な通訳業界の中で、私が経験したこと、また他の通訳者から聞いた話などもふまえて、社内通訳とはどのようなものなのか述べたいと思います。社内通訳に特有でない事例もありますし、...

【第16回】遅れてやってきた通訳者

白倉淳一さん 通訳者になろうと思い立ったとき、50歳と数カ月になっていました。 学校を出てから日本の企業で28年間転職することもなく働いていましたので、通訳者になることはキャリアの大きな変化になりました。私と同じような経歴の通訳者にはまだ直接会ったことがありません。通訳学校のことや仕事との出会いなどで、少数派として何か参考になることをお伝えできるかもしれないと思い、このリレー・コラム...

【第15回】北欧ノルウェーに住んで

木村博子さん 皆さん、はじめまして。北欧ノルウェーのオスロ市に住んでいる木村博子です。日本国内や英語圏内にお住まいの方々は、通訳や翻訳といえば、主に日英、英日だと思われているかもしれませんが、英語圏外に住み、多様な言語社会に生きている私達の状況はかなり違っています。 ノルウェーでの私の最初の通訳体験は、まだオスロに来て間もない頃でした。 ある会議での通訳を依頼されていた通訳者の...

【第14回】通訳者こそ読まなければならない本があるんです

知念徳宏さん 言葉というものがその話者の個人的背景を背負って出てくるように、言語もまた、その言語圏の文化的背景を背負って成り立っています。そういうわけで、たとえA言語圏におけるある言葉が、A言語圏の人たちにとって琴線に触れるようなものであるからといって、それを他の言語圏から来た人々に、A言語圏に属する人と同じような感動を味わってほしいと思って通訳をしようとしても、なかなかうまい表現が見つか...

【第13回】社内通訳という道

土井拓さん 社内通訳者という仕事 皆さんは通訳者という仕事を考えた時どんな姿を思い浮かべるでしょうか。 国際会議でスピーカーの声をブースから訳している会議通訳者。海外の要人の横で政治や経済の話をウィスパリングで訳している通訳者。ハリウッドスターのインタビューを訳している通訳者。上記のような通訳者が花形と思われることも多く、社内通訳者はあまり日の光の当たらない、地味な存在だと思わ...

【第12回】お悩み別、通訳者のためのガジェット活用・仕事術

平山敦子さん はじめに 「通訳のトビラ」を開けてこの世界に足を踏み入れたばかりの方々が日々抱える数々のお悩み。今回はその中から三つを取り上げて、通訳界のガジェットヲタク?!がアプリや便利グッズの活用で一発解決します! お悩み1「もっと仕事が欲しい!」 スキルを磨き、仕事の幅を広げたり、リピーターを増やしたり。時間はかかりますが、仕事を増やす道のりとしては、これが理...

【第11回】通訳者になる方法

松下佳世さん 2020年の東京オリンピック開催が決まったこともあり、通訳という仕事に対する関心が高まっているようです。私が教えている大学でも、学生から「先生、どうしたら通訳になれますか?」という質問をよく受けますし、インターネットの掲示板などでも、似たような投稿が増えている気がします。このような質問を投げかけてくる若者の気持ちは、よくわかります。なぜなら、「通訳者になる方法」は、一通りでは...

【第10回】フリーランス通訳と子育ての両立

岩瀬和美さん リレー・コラムをお読みの皆さん、こんにちは。 こちらのサイトに訪れる皆さんは老若男女さまざまで、これから通訳を目指す方から既に何年も経験を積んでいらっしゃる方まで、色々な方がいらっしゃるかと思います。それぞれの立場で抱えている課題は千差万別だと思いますが、私、岩瀬和美は、「フリーランス通訳と子育ての両立」という観点からこのコラムを書いていきますね。 通訳者への道の...

【第9回】通訳者としてお役に立つために

ケイト・スイフトさん 医療に関する通訳―広がる選択肢 「次は血液検査ですから、採血します。チクッとしますよ」 「息を吸って、吐いて。今度は深く吸って、一生懸命吐いてください」 「臨床試験では10例が終わって、自由診療に移る前にまず、先進医療Bの申請を提出する予定です。来週厚労省でアドバイスを受けます」 「その認証を取得するためには審査が必要で、全文書で140...

【第8回】パラスポーツ通訳 ~大分国際車いすマラソンで学んだこと~

池田裕佳子さん 2020年に東京オリンピックを控え、英会話レッスンを再開したり、通訳を目指して勉強を始めたりする人が増えているそうです。私もそのうちの一人。ただ、通訳学校の申込時に「オリンピックを目標にしている人は多いけれど、パラリンピックのために、という人は初めて」だと言われました。私にとってオリンピックはニュースで結果を知る程度。一方のパラリンピックは、陸上競技となると特に、選手が開催...

【第7回】フリーランス通訳になる前に 知っておきたい知識

マイヤーズ若菜さん 私は東京出身、大阪在住の駆け出し会議通訳者です。去年まで関東の外資系企業に勤める社内通訳でしたが、夫の仕事の都合で大阪へ引越しフリーランス通訳になりました。フリーランスになる前は、守られた会社員生活を離れる不安もありました。幸い、フリーランスで働くために必要なビジネス知識をある程度持っていたため転身する決心がつきました。 この知識は、米国カリフォルニア州にあるモン...

【第6回】通訳者としてお役に立つために

稲垣富美子さん 通訳はライブ! 通訳は「お役に立ってなんぼ」の商売だと思っています。 会議通訳者をしていると、この仕事はライブだと感じます。聴衆の反応からその場で、お役に立てているかどうかが実感できる職業です。そういう職業はあまり多くないのではないでしょうか。そして、この特質は恐怖にも大いなる喜びにもなり得るものです。 ある学会での通訳業務の終了後、通訳エージェン...

【第5回】アメリカの大学院の通訳訓練法

佐藤梓さん 「通訳者になるためにどんな勉強をしたのですか?」 私がMIIS(モントレー国際大学院・現ミドルベリー国際大学院)というアメリカの海沿いの美しい町、モントレーにある大学院で通訳を勉強していた、という話をすると、通訳志望の方だけではなく、お客様からもこの質問をされることが度々あります。そんなときには、「企業秘密です」と笑顔でお答えするのが常なのですが、決して出し惜しみ...

【第4回】沖縄の通訳現場から

玉城弘子さん 今回、通訳リレーを依頼されている通訳者の中で、私が唯一の地方在住者ということですので、私からは地方の通訳事情について書いてみることにします。ただ、一口に地方といっても各地それぞれ事情が異なるでしょうから、あくまでも私が住んでいる沖縄の状況ということになりますが、大都市から離れた場所には何らかの共通点があるかもしれませんので、首都圏以外の状況を知りたいという人にとって参考になれ...

保護中: 【最終回】通翻訳者が知るべきBrexit「Trade Woes, Border Wars」

【会員限定コンテンツ】 Brexitの移行期間が終了し、UKが完全にEUを離脱してから2ヶ月余りが過ぎた。年末の期限ぎりぎりにEU・UK通商・協力協定(EU–UK Trade and Cooperation Agreement)が合意され、合意なき離脱こそ免れたものの、年明けと共に始まった新しいEU・UK関係は、テリーザ・メイがランカスターハウス・スピーチで約束した"A smooth, o...

【第3回】オーストラリアの通訳現場から

エバレット千尋さん メルボルンでの出勤前 バリバリバリ・・・。真冬といえども日本にいるほど身体の芯から冷えるような感覚のないメルボルンで久々に聞いたこの音。「曇り時々雨。突風に注意」の天気予報を信じ、珍しく自動車で今日の現場に向かおうとすると、フロントガラスが凍りついていました。オーストラリアの大都市はどこもそうなのですが、朝の道路状況は刻一刻と変わります。 今日の仕事は王道の...

【第2回】IR通訳とテニス

丹埜段さん 10年間のサラリーマン生活を経ての転身 私は通訳者として、少し変わった育ち方をしてきました。 10年間のサラリーマン生活を経て、通訳者に転向しました。通訳学校に行きはしましたが、たった半年。しかも、生来の飽きっぽさも手伝って、その半年間すらあまり熱心に通っていません。大手通訳エージェントへの登録をモタモタと進めている内にたまたま縁があってインハウス通訳者になりました...

【第1回】フリーランス通訳者への転身

大竹純子さん 私が最初にフリーランスという仕事を身近に意識したのは、この“翻訳・通訳のトビラ”でも紹介している、日本翻訳者協会(JAT: Japan Association of Translators)主催プロジェクトの運営委員になった時です。最初の顔合わせで会った他の委員は、ほぼ全員がフリーの通訳者・翻訳者の方々ばかり。会社員人生を送ってきた私には、会社員の知り合いしかおらず、フリーラ...

保護中: 【最終回】はじめてのサイバーセキュリティ「おすすめリソース紹介」

【会員限定コンテンツ】 みなさんこんにちは。早いものでこの連載もついに最終回となりました。 第1回:なぜ今サイバーセキュリティなのか 第2回:敵を知ろう 第3回:前提知識 第4回:さまざまな攻撃 第5回:標的型攻撃 第6回:防御側 第7回:防御手段・ソリューションベンダ、官の組織、最近のキーワード 第8回:ペネトレーションテスト 第9回...

保護中: 【第26回】製薬業界の通訳「おススメ製薬通訳本①」

【会員限定コンテンツ】 前回から少し時間が空いてしまいました。今回からは数回に分けて、少し趣向を変えて、第25回までに取り組んできた各トピックをさらに学習する際のおススメ本を紹介していきたいと思います。 まずは第1回連載です。第1回目は「製薬業界の通訳」ということで概要をお話しました。製薬業界の全体像をつかむ上でのおススメ本の1冊目はこちらです: 森口理恵(2011).『まずは...

保護中: 【第26回】放送通訳の世界「ツライ放送通訳とは?」

【会員限定コンテンツ】 「どうしてもロンドンで働きたい!」という思いゆえにThe Japan Timesの求人欄で見つけたBBC World日本語部の「放送通訳者募集」広告。テレビ局の社会科見学はおろか、どこに在京のテレビ局があるのか知らなかったほど、当時の私はマスコミとは無縁でした。それでも「絶対にイギリスに行きたい!」という思いが採用担当者に通じたかどうかは不明ですが、1998年から2...

【第2回】通訳・翻訳学習記―東京外国語大学編―「春学期のスタート」

 みなさん、こんにちは。日本会議通訳者協会理事の佐々木です。  相変わらず新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。この第2回を執筆している今はすでに2021年になり、気持ちを新たに頑張っています。早くコロナが収束し、皆様に対面等でお会いできる機会が来ることを願っている今日この頃です。  さて、前回の第1回の最後にお伝えした通り、今回は1年目の春...

第3回 JACI 同時通訳グランプリ

日本会議通訳者協会(JACI)は、2021年も同時通訳グランプリを開催いたします。通訳を学んでいる学生・社会人と、同時通訳者になって4年以内の通訳者の同時通訳のスキル向上、切磋琢磨する機会の提供を目的としたコンテストです。 本年は、例年と異なり、予選のみならず本選もオンラインで開催いたします。また、できる限り海外からの参加者が参加しやすい時間帯に設定しておりますので、これまで時差で参加が難しかっ...

【第13回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「生活の知恵あれこれ」

最近私は「発達障害」に興味があり、色々と本を読んでいます。中でも非常に参考になったのが、「発達障害サバイバルガイド」(借金玉著、ダイヤモンド社、2020年)でした。発達障害というのは外見だけではなかなか理解してもらえず、その一方で当事者であるご本人たちは、生きづらさや生活の規則正しさの送り方などにおいてとても苦労しておられます。本書にはどのようにしてサバイバルできるかが47のヒントとして綴られて...

保護中: 【第5回】あの通訳研究って、実際どうなの?「訓練におけるシャドウイング(Shadowing)」

【会員限定コンテンツ】 皆さん、大変ご無沙汰しております。今回は、通常のタイミングから大幅に遅れての原稿となってしまいました。少々言い訳になってしまいますが、コロナが拡大する中で諸般の対応に追われてしまい原稿遅延となったことをお詫び申し上げます。 昨年、日本に伝播したコロナは収まるところを知らず、世界の各地でも依然として猛威を振るっています。欧州では再びロックダウンに入ったところもあ...