【JIF2023】成川彩「映像作品を通して学ぶ韓国の歴史・政治・文化」
成川彩
韓国在住文化系ライター。大阪生まれ、高知育ち。神戸大学法学部在学中に2度ソウルへ留学し、韓国映画の魅力にはまる。大阪大学大学院で通訳翻訳を専攻し、大阪地方裁判所、大阪府警などで司法通訳を務める。全国通訳案内士(韓国語)資格取得。朝日新聞記者として9年間文化を中心に取材し、退社後2017年からソウルの東国大学大学院へ留学。韓国映画を学びながら、共同通信やAERA、中央日報(韓国)など日韓の様々なメディアで執筆。通訳翻訳は舞台挨拶やインタビューの通訳、字幕やシナリオの翻訳など映画関連をメインにしている。2020年からはKBSWORLD Radioの日本語番組「玄海灘に立つ虹」で韓国の本や映画を紹介。2023年、『現地発 韓国映画・ドラマのなぜ?』(筑摩書房)を刊行した。
映像作品を通して学ぶ韓国の歴史・政治・文化
NetflixやAmazon Primeなどを通して日本でも手軽に見られるようになった韓国の映画やドラマ。特に韓国映画は実際の出来事を題材にした社会派の作品が多く、歴史や政治を学ぶのに格好のテキストです。例えば韓国の民主化運動について学ぶには、1980年の光州事件を描いた『タクシー運転手』、1987年の6月民主抗争を描いた『1987、ある闘いの真実』などのヒット作が参考になります。
また、韓国ドラマによく登場する「食」や「家族」という切り口で見れば、日本との文化の違いも分かります。社会の変化をいち早く反映する作品が多く、近年は#MeToo運動後の変化も顕著に見られます。具体的な映画・ドラマを取り上げながら、作品の背景となっているリアルな韓国の歴史・政治・文化について一緒に考えてみたいと思います。