【JIF2023】劉彦甫「台湾有事とは何か ――台湾海峡問題の構造と未来」
劉彦甫
東洋経済新報社解説部記者。1994年台北生まれ、2016年早稲田大学政治経済学部卒業、18年同大大学院政治学研究科修士課程修了、修士(ジャーナリズム)。専門は台湾を中心とする国際政治経済、日本の台湾認識。2018年から東洋経済新報社に在籍し、企業情報部や報道部で電子部品や電機業界を担当した。2022年より台湾情勢とマクロ経済の専門記者として解説部に異動し、論説や解説記事を担当している。日本台湾学会会員。
台湾有事とは何か ――台湾海峡問題の構造と未来
台湾有事の危機が叫ばれている。とくに2022年のロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに「今日のウクライナは明日の台湾」という言葉が広がった。日本国内を含めて西側諸国では台湾情勢への関心が高まり、アメリカの政府高官は数年内に台湾有事が起きる可能性を言及。日本では有事を念頭にした防衛強化が急速に進む。
しかし、台湾有事とは具体的に何を指すのか。なぜ台湾有事の可能性がこの数年で急激に意識されるようになったのか。台湾有事は本当に回避不可能なのか。本講演ではこれらをはじめとした台湾有事に関する疑問について台湾海峡をめぐる国際関係、軍事・安全保障の構造について歴史を踏まえて答え、台湾有事の可能性を分析・展望する。あわせて「一つの中国」など台湾問題をめぐって誤解も多い各種用語についても解説し、台湾問題への基本的理解を深められるようにする。