【JITF2021】蔭山歩美&ジョナサン・M・ホール「ペアで仕上げる英語字幕」

蔭山歩美

映像翻訳者。古書店に就職後、フェロー・アカデミーベーシック3コース(映像、出版、実務翻訳)と日本映像翻訳アカデミー(日英コース、英日コース)での学習を経て、フリーランスの翻訳者に転向。主に日本映画の英語字幕制作と、海外ドキュメンタリーのボイスオーバー日本語版台本制作を手がける。英語字幕は制作会社から依頼される商業映画だけでなく、監督やプロデューサーから直に依頼されて自主映画を引き受ける機会も多い。映画以外にも大学や自治体のPR動画なども担当している。

ジョナサン・M・ホール

通訳・翻訳者。大学で研究と教育も行い、日本・中国・東南アジアのインディペンデント映画のキュレーターとしても活動。専門分野は日本映画、写真、パフォーマンスで、英語字幕のみならず、映画祭カタログ翻訳、舞台挨拶や記者会見の通訳実績も多数。これまでシカゴ大学、カリフォルニア大学(バークレー、アーバイン、サンディエゴ、リバーサイド校)、ポモナ大学でアジアメディア研究を教え、日本映像翻訳アカデミーの東京校とロサンゼルス校では講師として日英翻訳者を育成している。

共訳作品

2018年からペアで英語字幕を手がける。担当作品は深田晃司監督『本気のしるし』(第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション2020選出)、吉野竜平監督『君は永遠にそいつらより若い』(第45回香港国際映画祭Fantastic Beats部門正式招待)、古舘伊知郎トーキングブルース『歌舞伎町の薬剤師』ほか多数。

ペアで仕上げる英語字幕(※本セッションは2回のシリーズです)

・セッション1「英語字幕の基礎」

初日は英語字幕の一般的なルールや基礎的な部分に触れます。文字数や視覚情報の制限がある中で、物語の構造や登場人物の性格をいかに再現するのかを説明していきます。またペア翻訳の仕事の流れや分担も紹介し、監督やプロデューサーと協力しながら日本映画を支える“翻訳部”としての役割も紹介します。

・セッション2「言葉のハードル」

2日目はセッション1を補足するケーススタディーですが、初日の参加は必須ではありません。コロナ禍を描いた作品で苦労した点、どうしても訳せなかった言葉、1話ずつ字幕を納品したドラマ版『本気のしるし』で経験した、ドラマ全体の台詞の繰り返しや口調の調整など、苦しくも楽しい字幕翻訳の実例を紹介します。

日本通訳翻訳フォーラム2021