【第18回】通訳者・翻訳者の子育て「子どもの教育は人生の新プロジェクト」

(執筆:通訳・翻訳者 岩谷牧子)

ユルユルな自分の人生設計には織り込まれていなかった妊娠出産というプロジェクトが突如動き出したのはほんの約2年前のこと。「子どもの教育についてなどはあせらずゆっくり考えたらいい」などと思っていたけれど、妊娠した途端に次々と送られてくる幼児教育教材の資料を目にしては考えざるをえない心境になり「途方に暮れている場合ではない」とまだ小さな娘を眺めつつ自分を奮い立たせては「ま、いっか」と再びソファに沈む日々を過ごしていたのですが、とうとう最近1歳を過ぎた娘が言葉らしきものを発するようになり、ふと「もし仮に私が自ら編み出した架空の言語で話しかけ続けたなら、それが母語になってしまう」と想像してその責任の重大さに改めて身震い。いよいよ真剣に考える時がやってきました。

たおやかな言語感覚を育てることから

幸か不幸か私たち夫婦はどちらも日本住まいの日本人。海外転居の予定もないので、外国語教育をどうするかの大前提として、まずは日本語のちからを思い切り伸ばすことが最優先、という考えには迷いがありません。繊細な言葉の選び方や表現、行間を読むといった日本語独特の感覚など母語ならではの理解を深めてほしい。

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