【第23回】通訳者・翻訳者の子育て「家庭で育てる世界への興味」
(執筆・通訳者 菱田奈津紀)
我が家は日本人の夫と私、10歳と7歳の娘の4人家族です。通訳という職業柄、「家でも子どもに英語を教えているの?」とときどき尋ねられますが、我が家の英語教育はのんびりしています。日本語環境にいながら、幼いころから家庭で本格的に英会話を教えるとなると、親の側に相当な努力と根気が必要なのではないでしょうか。残念ながら、私はそのようなものを持ち合わせておらず、娘たちからも「ママ、もう少し英語教えて」とクレームが出るほどです…。そんな母ですが、娘たちにはいずれ英語を自由に使えるようになって欲しい、と期待だけは抱いています。一方、幼いころから育てたいと意識してきたことがあります。それは、世界への興味と知識。そして多様性を受け入れる柔軟な心を育んで欲しいと思っています。加えて本連載でも語られている通り、第二言語を積み上げるためには、しっかりとした母国語の力と、論理的思考の土台を作ることが大事だと考えています。