【第29回】通訳者・翻訳者の子育て「タイミングが良かった 3兄弟のバイリンガル育児(後編)/通訳者 七條真理子さん」
(通訳者 七條真理子)
通訳の仕事をしながら、子育てを頑張っている現役世代とは違って、専業主婦の私が通訳の仕事を始めたのは、5年間の夫の米国駐在に同行して帰国後のことだ。小学生の息子たちがバイリンガルになれた4つのタイミング+1、その彼らが自分の子どもをどう育てようとしているのかをお話ししたい。
後編は帰国後から。
第四のタイミング:帰国後
双子は帰国子女クラスへ編入でき、いいリハビリになった。すぐに中学生になったので、語彙力は不足していたが英語は維持できた。耳で覚えたおかげで発音はネイティブ並み。「おかんの発音変でない?」と言われる。ただ文法については「ここはなんでthe じゃなくてaなの」と聞いても「なんとなく」。「仮定法過去完了とは?」「なんじゃそれ」で説明できず、大学生になっても家庭教師のアルバイトはできなかった。