【第9回】通訳者・関根マイクの業界サバイバル・ガイド「スケジューリング その2」
(執筆・関根マイク)
前回の続きです。当初は1回ですべてを盛り込む予定だったのですが、スケジューリングは価格設定と同じくらい重要なトピックなので、2回に分けてお届けすることにしました。
キャリアは長いスパンで考えよう
私が活動拠点を東京に移して間もないころ、「1日に半日案件(4時間以内などの案件)を2件、あわよくば3件~4件くらい入れるのが効率いいよね?」というような発言をしていた通訳者がいました。本当にそうなのでしょうか?
経験者であればわかると思いますが、ハードな筋トレをしたあとに身体が動かないのと同じで、ハードな通訳をしたあとは脳が疲れて何も考えることができなくなります。特に繁忙期は予習の時間も大事ですが、個人的にはそれ以上に休養が大事だと思います。睡眠が足りていない人、疲労が蓄積している人は、同時通訳機材のボタンの押し忘れなどの凡ミスも多くなるのではないでしょうか。