イベント・ニュース, Page 13

【JITF2022】JACI特別功労賞記念講演 金城初美「法廷通訳という仕事~半世紀の経験から」

金城初美 法廷通訳人、琉球大学講師、英語通訳案内業免許保持者、薬剤師。沖縄の本土返還直後から通訳者として活動を開始し、特に那覇地方裁判所ではおよそ50年近く外国人事件の通訳を担当している。現在も県内外の国際会議等で活躍中。 法廷通訳という仕事~半世紀の経験から 高校3年生の時、級友から誘われ受験して奨学金を獲得し米国留学の道が開かれ、必死に英語を学ぶ機会が得られました。...

保護中: 【第16回】翻訳家ありのまま「オーストラリア人解雇事件」

翻訳部設立2年目が終了するとき、オーストラリア人校正者も契約が打ち切られることになった。 彼はもともとグループ企業内の英会話講師をしていたのだが、自ら校正の仕事がしたいと申し出て翻訳部の校正者になっていた。彼の仕事は英文をチェックすることだから、日本語ができなくてもできる。彼はそれをいいことに日本語を学ぼうとせず、漢字は勿論、ひらかな・カタカナですら読めないままだった。 社長はそんな...

【第3回】探査工学から見た地球と宇宙「カーボンニュートラルについて(2) 」

一つ前のコラムで、太陽光発電などで余った電気を使って水素を作ることができれば、電気が足りない時にその水素を使って電気を作ることができることをお伝えしました。つまり水素は、不安定な再生可能エネルギーが普及する上で課題となっている「蓄電」の問題を解決するポテンシャルを持っています。しかし、余った電気から水素を作るにはコストがかかり、実用化までには少し時間を要すると考えられています。 さて水素に...

【第19回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「やっぱり備えておくが吉」

7月上旬に起きたKDDIの通信障害。読者の中にも対応に追われたという方がおられるのではと想像しています。幸い私は別キャリアでしたが、お世話になっている知人が大変な思いをしたとのこと。今の時代、スマートフォンですべてが完結できますので、どこかで不測の事態が生じると様々な影響が出てしまいますよね。 そこで今回は、「やっぱり備えておくが吉」と題して、いざという時のために必要なヒントをご紹介いたし...

保護中: 【第2回】 映像翻訳家インタビュー アンゼたかし【後編】

PART3:インプットと自己鍛錬 -そんなにお忙しいのに、フェローアカデミーでのゼミは続けていますね。ゼミを続ける意義は何でしょうか? アンゼ 自己鍛錬もあるかな(笑)。 ゼミは月1で、他に中級クラスを3週に1回のペースで担当しています。両方オンラインですが、遠方の人たちも受けられるのはメリットですね。だけど、いろいろと大変。教室と違って適当なことを言えないので、言葉を選んでし...

保護中: 【第2回】 映像翻訳家インタビュー アンゼたかし【中編】

PART2:ザ・バットマンとハードボイルド ―「THE BATMAN-ザ・バットマン-」について、おうかがいします。ワーナー・ブラザーズの公式サイトに公開されている冒頭10分間の動画の字幕を、松本陽子さんがまとめてくれました。 (動画、公開は2022年6月時点) https://www.youtube.com/watch?v=RFPcbC_Zms0 字幕のエクセル表 ...

保護中: 【第2回】 映像翻訳家インタビュー アンゼたかし【前編】

本連載では、字幕翻訳家の岩辺いずみさんと松本陽子さんが映像翻訳業界の名人たちをインタビューし、彼らの訳を支える思考や創造性を可視化することを目的としています。シンプルな訳でも、その裏には数多くの苦労がある。字幕翻訳者だけでなく、通訳者も学べることがあるはずです。 インタビュー2人目は、字幕と吹替両方の翻訳を手がけるアンゼたかしさん。『インターステラ-』『TENET テネット』など難...

【JITF2022】セス リームス「職業通訳者が考察すべき業務と報酬の釣り合いについて」

セス リームス 19歳のときに米国での大学教育を中断して来日し、国内の翻訳会社で1年間修業した。復学・大学卒業以後、英日・日英の翻訳者、および同時・逐次通訳者として現在に至る。アメリカ国内で翻訳会社を起業、約10年経営する。その後日本国内では約20年間、ブティックスタイルの翻訳・通訳会社を指揮。民間企業のマーケティングや営業分野を主戦場とするほか、民間企業の法務、技術、財務分野にも...

【第3回】「ライラックの花香るころ―中国語を生涯の友として」

国民学校の頃 ほどなくわが家は新京の南湖に近い盛京大路の官舎に移り、1941年4月わたしは春光国民学校に入学する。明治以来慣れ親しんだ「小学校」という名称が戦時体制に対応して「国民学校」と呼ばれるようになった年である。 それでも入学式の日、わたしは新京のデパート三(み)中井(なかい)か宝山(ほうざん)で買い求めたピンク地に黒い格子模様のワンピース、靴は皮靴といったヨーロッパ風のハイカ...

【第2回】「ライラックの花香るころ―中国語を生涯の友として」

第一章 「五族協和」の日々  わたしは東京市豊島区雑司ヶ谷で生まれた。  多分父の勤め先、当時の本郷区駒込にあった理化学研究所に近いので雑司ヶ谷に居をかまえたのだろう。   1937年4月、中国東北部の長春、当時の満州新京駅に降り立った時わたしは二歳足らずだった。盧溝橋事変が起きる三か月前のことである。 家族を連れて汽船で大連に向かい、大連から特急あじあ号に乗って新京に向...

【第1回】「ライラックの花香るころ―中国語を生涯の友として」

まえがき  ライラックは、中国語では“丁(ディン)香(シャン)花(ホア)”、あるいは“紫丁(ズーディン)香(シャン)”という。  わたしが中国語に初めて本格的に触れたのは、七十年ほど前のことだった。 それは1950年に創立された長春(中国吉林省)の東北師範大学付属中学の誕生とほぼ重なる。わたしがその三年八組に編入学したのが1951年。  母校は、いわばわたしが中国語を身に...

【第3回】ロンドン・メトロポリタン大学会議通訳修士コース編「ロンドンでの生活と学習環境について」

こんにちは!ロンドン・メトロポリタン大学会議通訳修士コース在学中の渡辺有紀です。 イギリスでは6月初旬にエリザベス女王の即位70周年記念のお祝いがあり、大変な盛り上がりでした。ちなみにエリザベス女王は1926年生まれ。4月に96歳を迎えています。96歳でありながら凛として公務をこなしている女王の姿にいつも心を打たれます。 さて今回は、ロンドン・メトロポリタン大学(以下ロンドンメット)...

【JITF2022】桒原 慶 「リモート時代の通訳翻訳エージェント」

桒原 慶 株式会社KYT 通訳・翻訳部 第3チーム エグゼクティブコーディネーター。千葉県出身。2012年に通訳エージェント:株式会社KYT(当時:ケイワイトレード株式会社)に入社。IR、IT、医薬を中心とした各種通訳業務を担当し、現在では営業兼コーディネーターとして従事している。 株式会社KYT リモート時代の通訳翻訳エージェント 過去最高売上を記録した2019...

【第2回】手話通訳士への道「偏見と差別意識満載の私ー私の育ち その1」

 100坪の土地に多数派のろう者、少数派のきこえる者の環境で育ち、私の家が千葉県、千葉市のろう者の団体の事務所だったので毎日毎日たくさんのろう者が我が家に来ていたことを前回紹介しました。  毎晩のようにたくさんのろう者が、我が家の2間しかない(一部屋は父母の仕事部屋)我が家の6畳間を占拠していたのです。私の家での多数派は、半端ない多数派だったのです。にもかかわらず「手話もろう者も嫌い」な私...

【第2回】探査工学から見た地球と宇宙「カーボンニュートラルについて(1) 」

人間活動による二酸化炭素(CO2)の排出増加によって、気候変動が引き起こされていることは間違いないとされています。大気中のCO2濃度は、産業革命前に比べて約1.5倍にまで増えています。この急激なCO2の増加は、気温の上昇だけではなく、海水温の上昇など全地球システムに影響を与えています。地球システムは複雑で微妙なバランスの上で釣り合っていますが、近年の急激なCO2の増加はこの地球上のバランスを速い...

保護中: 【第15回】翻訳家ありのまま「会議通訳として駆り出された」

すでに何人ものトラブルをつらつらと書き綴ってきた私ではあるが、「そういうあなたはそんなに優秀だったのか、何一つ汚点はなかったのか」と訝しがる人もあろう。 じつは私にもあまりに恥ずかしくて一生だれにも言いたくなかったビジネス上の汚点がある。他人のトラブルばかり書いて自分の汚点を書かないのは不公平ではないかという思いがよぎったため、ここで私の汚点を赤裸々に語ろうと思う。というのも翻訳家の方々に...

【JITF2022】平田麻莉「自分の価値は自分で決める〜自律的な働き方に向けてフリーランスに必要なマインドとは〜」

平田麻莉 慶應義塾大学総合政策学部在学中にPR会社ビルコムの創業期に参画。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院への交換留学を経て、2011年に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。現在はフリーランスで広報や出版、ケースメソッド教材制作を行う傍ら、2017年1月にプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会設立。プロボノの社会活動として、政策提言を始めとする8つのプロジェ...

【JITF2022】村田美奈子「フリーランスの資産形成を考える」

村田美奈子 プルデンシャル生命保険(株)ライフプランナー。東京薬科大学卒、商社を経て2003年入社し、約2000人の資産形成、リスクや税金対策、ライフプランのお手伝いを行っている。ご依頼者に沿ったサポートに定評がある。 フリーランスの資産形成を考える コロナ禍、収入が減ったフリーランスの方に国から「持続化給付金」などが支給されましたが、今後の不測の事態に「できるだけ資産...

【JITF2022】瀬川未佳「フリーランス通訳者のメンタルヘルスとエンパワメント」

瀬川未佳 臨床心理士・公認心理師。武蔵大学非常勤講師(担当:心理学ワークショップ)。 大学で心理学を専攻後、出版社にて絵本や教材の編集者として10年間勤務。その後、アライアント国際大学カリフォルニア臨床心理大学院日本プログラムにて修士号取得。臨床心理士として、家族問題の専門相談機関や公的機関の相談員として数多くの臨床経験を積む。 現在は、臨床心理士と編集者という異なる専...

第4回 JACI同時通訳グランプリ 入賞者の声

【学生部門】 グランプリ 安部望海(ミドルベリー国際大学院モントレー校) この度はグランプリを受賞させていただけたこと、大変嬉しく思っております。心より感謝申し上げます。 去年の夏、大学院進学を決め日本を飛び出した日には、まさか自分がこのような機会に恵まれるなんて想像もしていませんでした。 通訳者への道を歩み続けられる理由、それは私の場合、通訳という行為を通じて感...

【JITF2022】トニー・ロサド「RSIにおける条件交渉と契約書作成 」

トニー・ロサド フリーランス通訳者として米国務省をはじめ、政治イベントやメディア・スポーツイベントでの通訳に30年以上従事。認定法廷通訳人。法学士。世界各地の大学で通訳を教え、業界イベント等で講演者を務める。The Professional Interpreterブログに加えて通訳に関する書籍が2冊あり。AIIC、TAALS、IAPTI、ASETRAD、OMT、ATA、NAJITの...

【JITF2022】JACI特別功労賞記念講演 神崎多實子「中国語を生涯の友として」

神崎多實子(かんざきたみこ) 東京都生まれ。幼年期に中国へ渡航、1953年帰国。都立大学附属高校(現桜修館)卒。北京人民画報社、銀行業務などを経て、フリーの通訳者に。通訳歴60年余り、元NHK・BS放送通訳、サイマル・アカデミー講師。編著書:『中国語通訳トレーニング講座 逐次通訳から同時通訳まで』、『中国語通訳実践講座』、神崎勇夫遺稿集『夢のあと』(いずれも東方書店) 中国語...

【結果発表】第4回 JACI 同時通訳グランプリ

第4回 JACI 同時通訳グランプリの結果を以下の通り発表いたします。 【学生部門】 グランプリ 安部望海(あんべ のぞみ)(Middlebury Institute of International Studies at Monterey) 準グランプリニコラス・コンチー(Middlebury Institute of International Studies at Mon...

第5回JACI特別功労賞 受賞者コメント 金城初美

第5回JACI特別功労賞の受賞者に決定されたとの連絡を受けた時、大きな驚きとともに、私が受けて本当にいいのかなと少し迷いましたが、今年は沖縄が日本に復帰してから50年という記念すべき年であり、沖縄について、そして沖縄の司法通訳についてより多くの人に知ってもらえる機会になるかも知れないと思い、受けることにしました。これを機に、これまで自分が生きて来た道を振り返ることとします。 197...

第5回JACI特別功労賞 受賞者コメント 神崎多實子

中国語を生涯の友として    わたしが通訳の「いろは」も知らないうちに、サブ通訳になったのは19歳のとき。 それがいまや通訳歴六十年以上、中国語通訳のほか教師も含め、長い人生行路を中国語とともに歩んできた。 会議通訳の合間を縫って手がけてきた放送通訳の仕事は、今年3月をもって辞職した。NHKの放送通訳は、1980年代の中国残留孤児の肉親捜しの生同時通訳放送から数えると四...

第5回 JACI特別功労賞 神崎多實子、金城初美

日本会議通訳者協会(JACI)は2018年に、通訳業および通訳業界に多大な貢献をし、その発展に寄与した個人および/または組織の功労を讃えることを目的に、JACI特別功労賞を制定しました。 厳正な審査を経て、第5回の受賞者は神崎多實子氏と金城初美氏に決定しました。 神崎多實子(かんざき たみこ) 神崎氏は半世紀以上にわたり日本と中国のあいだを緯糸(よこいと)で紡ぐが如く第...

保護中: 【第14回】翻訳家ありのまま「身の毛がよだつ大事件勃発」

大事件というのは突然勃発することは希で、たいていの場合、いくつもの原因が重なり合って勃発に至るものである。 例えば、ピッチャーがどんな球を投げたとしても、満塁になっていなければ満塁ホームランを打たれることはない。逆にいえば、ランナーが一人も出ていなければ、最悪でもソロホームランで済むのである。あるいは、高価な物品がたくさんある家に空き巣が入れば被害も甚大だが、盗むものが何もない家なら空き巣...

保護中: 【第10回】あの通訳研究って、実際どうなの?「EVS (Ear-Voice-Span)についての一考察」

【会員限定コンテンツ】 5月から既に全国で夏日、真夏日を記録しています。今年の夏も暑いという予報だそうですが、こんなに早くから暑さが訪れるとは想定外でした。マスクをいつどのように外してもいいのかが議論になっていますが、暑さが厳しくなってくるにつれ、マスクが苦しくなってきます。安心してマスク無しの生活が送れるようになるのは、いったいいつのことになるのでしょうか。 そのコロナ禍が世界中を...

保護中: 【第37回】放送通訳の世界「困った!でも止まれない」

【会員限定コンテンツ】 国際会議の同時通訳の場合、たいていは事前に資料を頂けます。資料とはすなわち当日のスケジュール、話者のプロフィール、原稿やスライド資料などです。通訳者としては、ありとあらゆる情報が助けになります。よって資料が事前にあるか否かで当日に大きな差が出てくるのですね。 一方、放送通訳の場合、当日になるまで何が出るかは不明。あらかじめネットや新聞でチェックしてヤマ...

【JITF2022】岩辺いずみ 「英日字幕翻訳~作品に字幕をつけてみよう!」

岩辺いずみ 大学卒業後に雑誌で編集&ライティングの仕事に就く。アメリカに留学後、日本映像翻訳アカデミーで1年、フェローアカデミーでアンゼたかし氏のゼミに1年学ぶ。2002年から英語・フランス語の作品を中心に多言語の字幕を手がける。代表作に映画『キンキーブーツ(松竹ブロードウェイシネマ版)』『mid 90s ミッドナインティーズ』『冬時間のパリ』『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』、ドラ...