【第1回】手話通訳士への道「先ずは私のこととこれから」 ●はじめに 今日から連載のスタートです。 私は52年前(1970年度)、千葉県で開催された全20時間の第1回手話奉仕員養成講座を卒業し、手話言語通訳の道を歩み始めました。 私の両親はろう者(大雑把な整理ですがろう者集団に所属し、手話言語の話者とします。)だったので、手話言語が飛び交う環境で育ちましたが、差別意識満載の私は、手話言語を否定し、「ろう」を受け入れられず、避けて育...
【JITF2022】大島聡子、玉川千絵子、矢能千秋、山本真麻「出版翻訳 作戦会議:私たちの場合 最初の1冊〜現在〜次の目標」 大島聡子 https://twitter.com/syuzunosyuke 主な訳書『自己啓発の教科書』『世界の幽霊出現録』『ビジュアルストーリー 世界の秘密都市』(日経ナショナルジオグラフィック社)、映像『星のささやき』27th キネコ国際映画祭特別賞。 玉川千絵子 https://twitter.com/chitama 英日翻訳者。共訳『ブラッ...
【JITF2022】池田和子「英日逐次通訳の基礎」 池田和子 上智大学外国語学部、比較文化学科卒業。モントレー国際大学大学院、会議通訳修士。コロンビア大学大学院、英語教授法修士。外国資金為替ディーラーを経て、1993年よりフリーランス会議通訳者・翻訳者。スポーツから国際会議まで幅の広い分野をこなす。 2002年より東京外国語大学非常勤講師として、通訳講座および通訳訓練法を応用した英語講座を担当。2021年より早稲田大学及び大学...
【JITF2022】袖川裕美「はじめての放送通訳~まずは正確な理解から」 袖川裕美 関西外国語大学英米語学科教授。日英同時通訳者。東京外国語大学フランス語学科卒。ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)修士課程修了。1994年より放送通訳(BBCロンドン/東京、NHK・BS、CNN)や会議通訳に従事する。著書の『同時通訳はやめられない』(平凡社新書2016)は朝日新聞・天声人語をはじめ主要紙の書評で取り上げられた。テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ』(...
【第9回】通訳・翻訳学習記-ミドルベリー国際大学院「期末最終試験について」 卒業を決める最終試験 皆さん、こんにちは。ニック・コンチーです。私からの記事は今回で最後となりますが、今までの連載シリーズをお読みいただきまして誠にありがとうございます。ミドルベリー国際大学院(MIIS)で学ぶ内容・通訳方法などを皆さんにご紹介することができ、嬉しく思います。今回はMIISのファイナル試験と任意の修士論文について書いていきたいと思います。 無事に卒業できました!白い「...
【JITF2022】賀来華子「日英逐次通訳ブートキャンプ〜ことばをより広く、より深く」 賀来華子 通訳技術を教えることに心を燃やす会議通訳者・大学講師。現場は法律事務所、国連機関、官公庁などが多いが、私生活では本屋と映画館に足繁く通う。年に半分、東京大学駒場キャンパスで、帰国子女や留学生に通訳技術を教えるようになって今年で7年目。米国、デンマーク、イタリア、ブラジル、タンザニアの延べ8ヶ国で育つ。上智大学卒、米モントレー国際大学(MIIS)会議通訳修士号、米コロンビア...
【第10回】通訳・翻訳学習記 東京外国語大学編「卒業式と今後の進路について」 皆さん、こんにちは。日本会議通訳者協会理事の佐々木です。 桜が満開になったかと思えば、急に寒い日が戻ってくるという寒暖差が大きい日々が続いてますね。体調いかがお過ごしでしょうか。 ついに、本連載も最終回となりました。今回は卒業式の様子と今後のキャリアについてお話したいと思います。 卒業式 3月の下旬に東京外国語大学の卒業式がありました。コロナ禍が続くなか、今回の卒...
保護中: 【第13回】翻訳家ありのまま「京大卒社長VS東北大卒副社長」 翻訳部の人員体制は創設2年目に入ってからガラリと変わった。東大大学院出身の女性スタッフの勤務形態が「月曜だけ週1出勤、週4回自宅勤務」から「月曜と木曜の週2出勤、週3回自宅勤務」に変更になった以外にも、東外大卒の女性の後釜としてフェリス女学院大卒の女性が採用されたし、国際部から東北大卒の男性が異動してきた。 東北大卒の男性は55歳。社長より若干年少だ。大柄の社長とは対照的に小柄ではあったが...
第4回JACI同時通訳グランプリ(2022)予選通過者 厳正な審査の結果、以下の方が2022年6月12日(日)に行われる本選に進出することが決定いたしました。本選のスピーチタイトルとあわせてお知らせします。当日は体調を整え、実力を遺憾なく発揮されることを期待しております。 (以下、順不同) <学生部門> 安部望海(Middlebury Institute of International Studies at Monterey)薄久...
【JITF2022】武藤陽生「ゲーム翻訳のエッセンス」 武藤陽生 ゲーム、出版翻訳者。29歳のとき『深夜特急』に影響されて出たひとり旅の途上で翻訳に目覚める。帰国後フェロー・アカデミーの出版翻訳コースにかよい、その傍らでゲーム翻訳会社に勤務。その後フリーランスとして独立し、ゲーム翻訳と出版翻訳に携わる。おもな訳書は『ショーン・ダフィ・シリーズ』『駆逐艦キーリング』、訳したゲームは『Gone Home』『The Vanishing of ...
【6/4】JACIエンパワメント部 キックオフイベント【遠隔】 本会議通訳者協会(JACI)公式サブグループとして、『エンパワメント部』が発足しました! エンパワメント部は、自身の通訳ビジネスにオーナーシップを持ち、事業の成長や業界の発展を考える通訳者が集うグループです。 外部講師を招いた講演会やメンバー同士のワークショップを通して、持続可能な通訳業、キャリアプラン、ビジネスマインド、ウェルビーングなど、さまざまな角度から共に学び、意見や情報を交...
【第1回】探査工学から見た地球と宇宙「地震について」 今日は、最近、頻発している地震について書かせていただきます。あまりニュースや教科書に載っていないことを、できるだけ分かりやすく書かせていただきたいと思います。 2011年東北地方太平洋沖地震の前は、地震学者は、地震の予知に向けて研究を行い、それなりに自信を持っている研究者も多かったと思います。特に東北沖の日本海溝では周期的に地震が起こってきました。そのため、どの場所で、どれくらいの規模の地...
保護中: 【第12回】翻訳家ありのまま「東大大学院出身の女性を寵愛する京大卒社長」 京大卒社長の目からすれば、京大こそが日本一の大学であり、東大は「同率1位で日本一の大学」であった。そんな社長がこよなく愛したのは、東大大学院出身の女性との「京大VS東大トーク」であった。 飲み会の席になると、必ず自分の横に東大大学院出身の女性を座らせ、「京大はこうだったが、東大はどうだったの?」という「京大VS東大トーク」を繰り広げるのだった。社長にしては、それがもっともしたかったトークテ...
保護中: 【第36回】放送通訳の世界「共感疲労」 【会員限定コンテンツ】 短期間で終結すると思われたウクライナ情勢。当初は「ロシアによるウクライナ侵攻」ということばが使われていましたが、最近は「戦争」という語も見られるようになりました。「戦争」は「宣言」をすることで本格化します。侵攻が始まったのは冬の終わり。そして今、私たちは夏を目前に控えているのです。 CNNでも特別体制がとられ、通常の番組が速報に切り替わりました。24時...
【第2回】ロンドン・メトロポリタン大学会議通訳修士コース編「全面オンライン授業からハイブリッド形式へ」 こんにちは!ロンドン・メトロポリタン大学会議通訳修士コース在学中の渡辺有紀です。イギリスではイースター休暇が終わり、夏に向けて爽やかな季節となっています。私の学生生活も2年目後半となり、5月中旬の通訳実技試験、そして修士論文の執筆に向けて、総仕上げの時期に入っています。 前回に引き続き、ロンドン・メトロポリタン大学(以下ロンドンメット)での会議通訳修士コースについて、私の体験を寄稿させてい...
【JITF2022】森千代「MIIS留学を疑似体験!逐次通訳の基礎と上達のヒント」 森 千代 2013年MIIS会議通訳修士号取得、3年間ロサンゼルスの本田技研で社内通訳を務めたのち出産をきっかけにフリーランス通訳・翻訳者へ転向。2017年から母校MIISで客員教授として日本語逐次通訳、同時通訳、サイトトランスレーション等の指導にあたっている。授業で扱うテーマは主にビジネス、テクノロジー、エネルギー、外交、通商、国際関係など。 MIIS留学を疑似体験! 逐次...
日本通訳翻訳フォーラム2022 一般社団法人 日本会議通訳者協会(JACI)が毎夏主催する日本通訳翻訳フォーラムが今年も帰ってきます!今年のテーマは「深く学ぶ」。過去2年で見たような講演は一部残しつつも、今年はよりディープな学びを実現するため、曜日別に通訳と翻訳の日英遠隔ワークショップを多数実施します。講師は第一線で活躍するプロばかり。業界最大のサマースクールにぜひご参加ください。今年も毎日開催(たぶん!笑)。リアルタイム参加...
保護中: 【第31回】製薬業界の通訳「おススメ製薬通訳教材⑥」 【会員限定コンテンツ】 第26回から、第25回までに取り組んできた各トピックをさらに学習する際のおススメ教材を紹介しています。第6弾の今回は、第21回~第24回が対象です。 第21回は「患者情報保護の通訳」(https://www.japan-interpreters.org/news/keitaro-morita-pharma21/)に取り組みました。 記事の冒頭で大きく...
【第9回】通訳・翻訳学習記 東京外国語大学編「二年次秋学期期末試験、いよいよ卒業目前!」 皆さん、こんにちは。日本会議通訳者協会理事の佐々木です。 少しずつ暖かくなり、梅や桜がちらほら咲き始めましたね。春はもうすぐそこですね。 今回は、二年次秋学期期末試験、オンライン形式の同時通訳実習、そして修士論文・修士研究発表会についてお話します。 二年次秋学期期末試験 秋学期期末試験は「同時通訳ワークショップ(日本語→英語)」と「英語同時通訳演習(英日)」で実施...
保護中: 【第11回】翻訳家ありのまま「想像を絶する残業地獄」 翻訳部創設1年目が終わろうとするころ、翻訳部に大型の和英翻訳の仕事が入ってきた。 社長は大喜びだったが、超特急で仕上げてほしいという依頼だったから私にかかる負担は甚大だった。というのも東外大卒の女性は1年で辞めさせられることが決まっていたし、「週1回出勤、週4回自宅勤務」の東大大学院出身の女性に和英翻訳を依頼するのは効率が悪かったため(というのもネイティブチェックを受ける場合、出社していた...
(日英)真夏の逐次通訳ワークショップ2022 【本イベントはコロナ感染拡大の影響を鑑み、中止になりました】 JACI名物、真夏のワークショップが帰ってきます!それも北海道から沖縄まで、初の全国ツアーです! 協会所属の経験豊富な会員が講師となり、逐次通訳の技術について実践的な講義と演習を行います。本イベントは完全な対面方式で実施され、撮影もないためアーカイブ動画も残りません。仲間と一緒に技を磨き、食事を共にしてつながりを深めること...
【7/24】第2回 投資家目線の企業分析~総合商社セクター【遠隔】 金融翻訳のスペシャリスト・中山桂さんの企業分析講座がついにシリーズ化!対象企業の事業構造や特徴を学び、「投資家は何を見ているか」を知ることでIR通訳者としてのレベルアップを図りましょう。 チケット購入はこちらから ------------------------- 昨年、世界一の投資家と誉れ高いウォーレン・バフェットが日本の総合商社5銘柄を購入し話題となりました。そこで今回は、...
【第8回】通訳・翻訳学習記-ミドルベリー国際大学院「現場での力が試される、MIISの2学年目」 皆さん、こんにちは!丹羽つくもです。昨年から数回にかけて、母校ミドルベリー国際大学院(MIIS)についての連載をニック・コンチーさんと執筆しています。前回はついに2年生となった私たちの1学期目の様子を、ニックさんがまとめてくださいました。今回は、その続きということで、日英・英日の通訳・翻訳クラスだけではなく、他にもどんなキャンパスライフを送っているのかについてお話させていただきます! プラ...
保護中: 【第10回】翻訳家ありのまま「翻訳部創設1年で8人中4人がいなくなった」 個人的な恨みはまったくないので、悪くは言いたくはないのだが、中央大出身の営業担当の男性はつねにきな臭い噂が流れていた。男が身を持ち崩す3悪は酒とギャンブルと女だと言われるが、それを地でいくタイプかと思わせる噂だった。 翻訳部が創設されて半年過ぎた頃、突然、彼が出社しなくなった。彼の仕事は翻訳の仕事を取ってくるのがメインのはずだが、日々どのような仕事をしていたかは不明だった。というのも社長が...
【第18回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「ホテル活用術」 この2年間、会議通訳もセミナーも授業もオンラインが主流となり、「交通機関を使って移動をして、現地に宿泊する」という機会がめっきり減りました。確かに、「自宅にいながらにして通訳や指導をできる」のは便利です。合間に家事をしたり宅配便を受け取ったりできますし、ラッシュの電車にもまれることもありません。でも、出張や旅というのは、現実から離れることができます。普段見慣れない光景を目にするだけでも新鮮な気持...
最終回【第10回】通訳案内士のお仕事~北の大地から「北海道のおすすめスポット」 皆様、こんにちは。北海道の通訳案内士・通訳者、飛ヶ谷園子です。この連載では通訳案内士の仕事について、主に北海道での実情を中心に様々な角度からお伝えしてきました。最終回となる10回目の今回は仕事の話を離れ、北海道の通訳案内士おすすめの「北海道の自然を楽しめるスポット」を季節ごとにご紹介します。 梅と桜の春 4月に入って新年度が始まり、満開の桜の映像や写真がテレビやインターネットにあふれ...
【第1回】ロンドン・メトロポリタン大学会議通訳修士コース編「コロナ禍に入学!」 「今、世界で起きていること、通訳者の役割をしっかり見ておくように。世界中の人達への情報の架け橋となること、それが私たち通訳者の使命です。」 2022年2月末、ロシアのウクライナ侵攻が開始された直後の授業で、最初に言われた言葉です。第二次世界大戦を前後して、国連やNATO、後のEUとなる国際機関が次々と設立されました。その大きな目的の一つが、国際平和です。同時通訳が世界で初めて公式に使用され...
【4/24】投資家目線の企業分析~ポーラ・ オルビスホールディングス【遠隔】 金融翻訳のスペシャリスト・中山桂さんの企業分析講座がついにシリーズ化!対象企業の事業構造や特徴を学び、「投資家は何を見ているか」を知ることでIR通訳者としてのレベルアップを図りましょう。 チケット購入はこちらから ------------------------- コロナ禍で大きく業績が落ち込んだ景気敏感株ですが、 各国で経済活動が再開されつつあり再び注目が高まっています。 そ...
保護中: 【第9回】翻訳家ありのまま「社長の大言壮語を封印してやった 」 ミシガン大学大学院出身の男性が「自宅待機」になり出社しなくなってからというもの、社長はことあるごとに彼を引き合いに出しては我々を鼓舞するようになった。 「あんな人なんか居なくなって十分やっていけるってとこ見せつけてやろうじゃないか。なあ、君たち、頑張れよ!」 英日翻訳のチェックは京大卒社長が行なっていたのだが、その頃からその厳しさが増した。誤訳が見つかろうものならこっぴどく叱られるよ...
【第7回】通訳・翻訳学習記-ミドルベリー国際大学院「MIISの2学年目:授業内容と環境が変わっていく!」 皆さん、こんにちは!ニック・コンチーです。今年の2月にJACI主催のパネルディスカッションに参加させていただきました。様々な大学院の通訳プログラムについて興味深いお話ができてとても楽しい時間を過ごすことができました。JACIの関根様にお声がけいただきましたこと、そしてご覧いただいた皆様に大変感謝しております。 早速ですが、今回はMIISの2学年目の授業内容について書いていきたいと思います。...