【第8回】通訳・翻訳学習記 東京外国語大学編「二年次秋学期と年末年始」

 皆さん、明けましておめでとうございます。日本会議通訳者協会理事の佐々木です。

 2022年になりましたね。皆さんは年末年始いかがお過ごしでしたか。私は先日無事修士論文を執筆し終え、最終審査を受け終わり、後は結果を待つのみとなりました。

 第8回は前回お伝えした通り、二年次秋学期と年末年始のお話をしようと思います。

二年次秋学期

 秋学期も春学期に引き続き、修士論文ゼミ、英日同時通訳と日英同時通訳の授業を履修しました。これらの授業と修士論文の執筆に集中して取り組みました。

 それぞれの科目の概要をお話します。

同時通訳ワークショップ(日本語→英語)

「同時通訳ワークショップ(日本語→英語)」は、春学期同様に講演動画とゲストスピーカーによるスピーチを英語へ同時通訳する演習でした。経済から文学にいたるまで、さまざまな分野の通訳演習を通じて、日英方向のスキルを磨くことができました。

 事前に単語リストが共有されるため、単語や表現を調べ、その単語をもとにインターネットなどで背景知識の習得をし、演習に臨みました。

 日本語独特の表現をいかに分かりやすく訳すかを常に考えながら演習に励んでいましたが、なかなかうまくいかないことの方が多かった印象です。しかし、演習で得た経験は今後の実務でも活かせるため、復習しながら、これからも通訳技術を磨こうと思います。

英語同時通訳演習(英日)

 「英語同時通訳演習(英日)」は、テーマに沿ったプレゼンテーションの通訳や学部生の授業で同時通訳実習を行いました。こちらも上記の「同時通訳ワークショップ(日本語→英語)」同様、幅広い分野の同時通訳を行うことで、スキルを磨きました。

 テーマに沿って学生が数分のプレゼンテーションを発表し、それを同時通訳する形式になっています。そのため、担当する学生にスライドや原稿を事前に共有してもらい、準備するようにしていました。演習の前に行っていたこととして、当日の朝に原稿を少しサイトトランスレーションして口がすぐに動くようにウォーミングアップをしていました。この授業は1時間目からあり、割と朝早い段階からスタートするため、口がすぐに動かず訳出が曖昧になることを防ぐのに役立ちました。このウォーミングアップアップは担当する先生から教えていただき、すぐに取り入れました。

 学部生との実習も上記の演習と同じく、テーマに沿ったプレゼンテーションを学部生が数分行い、大学院生が同時通訳する形式でした。スライドや原稿などの資料を事前に共有していただき、準備をして臨みました。準備の段階で、使用する単語や表現、資料を読んでいて不明だった点はメモにまとめ、メールや当日朝の打ち合わせで確認するようにしていました。相変わらず新型コロナウイルス感染拡大が続くなかで、このような実習の場を春学期に続き再度いただけたのは、大変ありがたかったです。

通訳翻訳研究

 「通訳翻訳研究」は修士論文・修士研究に関するゼミのクラスです。秋学期は修士論文の執筆作業が本格化していたこともあり、進捗の報告や研究を進めるなかで困っていること、確認したいことを先生や同級生と議論しました。この議論で得た指摘やアドバイスは研究で直面している課題や不明点を解決するうえで、とても役立ちました。

 ここまでは秋学期に関するお話をしてきました。今回の最後に年末年始の過ごし方についてお話します。

年末年始

 大学院二年目そして最後の年末年始を迎えました。今回も新型コロナウイルス感染拡大の影響そして修士論文を仕上げる必要があったため、実家には帰省しませんでした。第4回で、知人の方とクリスマスにオンラインで飲み会などを一年次に行った話をしましたが、今回は上記の修士論文でいっぱいいっぱいだったため、できませんでしたが、無事に論文は完成し、期限内に提出することができました。

 年明けは昨年と同様に、おせちと雑煮を食べたり、実家の家族と電話をしたりして少し息抜きをしました。

 今回は二年次秋学期と年末年始のお話をしました。次回は、期末試験とオンライン形式の実習、そして修士論文・修士研究発表会について話そうと思います。新型コロナウイルス感染拡大の第6波が続いていますが、皆さんどうぞ体調に気をつけてお過ごしくださいませ。


佐々木勇介

JACI理事。東京外国語大学大学院修士1年。学部卒業後、ITおよび通信の会社2社で通算4年半、エンジニア兼社内通訳者として従事していた。趣味はイギリス発祥のスポーツであるクリケットと愛車のロードバイクで一人旅。