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【第3回】通訳案内士のお仕事~北の大地から「講師として活用される通訳案内士(続き)」

皆様、こんにちは。北海道の通訳案内士・通訳者、飛ヶ谷園子です。前回は、今年の1月末から2月にかけて行われた「地域の観光人材のインバウンド対応能力強化研修」という観光庁の事業について、実施された経緯と概略についてお伝えしました。第3回目の今回は、実際の研修の様子をお伝えします。 研修プランの作成 「地域の観光人材のインバウンド対応能力強化研修」は、オンライン開催と実地開催を合わせて全国...

【第1回】翻訳家ありのまま「翻訳会社に転職したものの…」

大学卒業後に初めて就いたのは大学職員の仕事だったが、それには2つの“裏の理由”があった。1つは、応募した3つの翻訳会社のすべてに不採用になったこと、もう1つは、大学職員は夏休みが多く、残業も少ないという噂を聞いていたことだった。翻訳家になりたいと思っていた私は大学職員として生活費を稼ぎながら自由時間をフルに使って英語力を磨き、チャンスがあれば転職してやろうと目論んでいたのだ。  かくして、...

保護中: 【第31回】放送通訳の世界「ごほうび通訳」

【会員限定コンテンツ】 通訳の仕事というのは、人材派遣会社(エージェント)に登録するところから始まります。デビュー前の私は大学で通訳の授業をとったり、民間のスクールに通ったりしましたが、それだけでは登録できません。自分なりに経験を積み重ねて業績を増やすことが必須なのです。そこで私は複数の自治体の国際交流協会にボランティア通訳者として登録し、ボランティアの回数を増やしました。また、正社員時代...

保護中: 【第7回】あの通訳研究って、実際どうなの?「レジスター(Register)を意識する」

【会員限定コンテンツ】 皆さん、残暑お見舞い申し上げます。まず、この度の豪雨で被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。加えて、最近のコロナ第5波の影響を受けていらっしゃる方々にも心よりお見舞い申し上げます。また、医療関係者の方々には深謝申し上げますと同時に、少しでもお休みされる時間を取って頂きたいと切に願う日々です。 今回も原稿が遅くなってしまいました。また言い訳となって...

【第2回】通訳案内士のお仕事~北の大地から「講師として活用される通訳案内士」

皆様、こんにちは。北海道の通訳案内士・通訳者、飛ヶ谷園子です。前回は第3回JACI同時通訳グランプリの本選で発表したスピーチに基づき、コロナ禍における通訳案内士の現状についてお話しました。連載第2回目の今回は、通訳案内士を講師として活用する観光庁の事業の概要についてお話します。 「地域の観光人材のインバウンド対応能力強化研修」 昨年9月、各都道府県に登録をしている英語の全国通訳案内士...

【9/19】地方通訳者の座談会【遠隔】

東北・中部・関西・九州を基盤にそれぞれ活躍される通訳者4名をパネリストとしてお招きし、これまでの道のりについて伺い、チャンスの広げ方などについて一緒に考えます。 「なかなか地方だと仕事がなくて・・・」と悩んでいらっしゃる方、地方で仕事の幅を広げたい方など、ぜひご参加ください!参加者の皆さんのご経験や仕事を広げるアイデアも共有してくださると嬉しいです。 お申し込みは下記リンクからお願...

保護中: 【第5回】遠田和子の無手勝流英文法「前置詞と強い動詞で英語らしさ」

前回、前置詞を使いこなすには、空間イメージを捉えることが大切だという話をしました。今回のテーマは、位置や方向を表す前置詞と強い動詞の組み合わせ。これを使いこなすと、英語らしいパンチの効いた表現ができるようになります。 まず連載第4回で、onの基本イメージは「2次元での接触」、inの基本イメージは「3次元の中にいる」であると述べました。前置詞の選択により、微妙なニュアンスの違いが生まれること...

保護中: 【第4回】バズワード「AI」の取説「AI・機械学習の開発における必須ツールの解説」

【会員限定コンテンツ】 【第三回】バズワード「AI」の取説「機械学習の仕組み」では、機械学習が世の中でどのように使われているかを事例とともにご説明しました。ここまでの寄稿で皆さんの知識はかなり底上げされてきたと思いますが、今回の寄稿ではこれまで学んできたことを補足する目的で、AIや機械学習の開発やプロジェクトを進める際によく登場する開発関連の代表的な重要ツールを解説します。 今回は、...

保護中: 【第30回】放送通訳の世界「大文字?小文字?」

【会員限定コンテンツ】 普段担当しているCNNの放送通訳で、実は難儀していることがあります。デビュー当時から今に至るまで変わりません。それは、「画面下のヘッドラインの文字がすべて大文字であること」です。 たとえば、 "CORONAVIRUS CRISISHOSPITALIZATIONS UP 225% SINCE EARLY JUNE IN ONE MISSOURI CITY;...

【第5回】通訳・翻訳学習記―東京外国語大学編―「秋学期末試験から1年目終わりまで」

 皆さん、こんにちは。日本会議通訳者協会理事の佐々木です。  梅雨もあけて、いよいよ夏ですね。新型コロナウイルスの感染拡大も続く中、熱中症にも気をつけないといけませんが、体調管理をしっかりとしていきましょう。 さて、今回は一年次秋学期期末試験、冬学期そして春休みのお話をします。 一年次秋学期期末試験 授業にもよりますが、秋学期の期末試験は1月にあります。第3回の春学期期末...

保護中: 【第28回】製薬業界の通訳「おススメ製薬通訳教材③」

【会員限定コンテンツ】 前々回から、少し趣向を変えて、第25回までに取り組んできた各トピックをさらに学習する際のおススメ教材を紹介しています。第3弾の今回は、第9回~第12回が対象です。 第9回は「PVの通訳」に取り組みました。本トピックのおススメ本はこちらです: Waller, P.・Harrison-Woolrych, M.(2018).『医薬品安全性監視入門』〔第2版〕(...

保護中: 【第4回】遠田和子の無手勝流英文法「前置詞は基本イメージを掴む!」

当連載では過去3回にわたり英語の冠詞について書きました。今回は冠詞と同じくらい苦手意識を持つ人が多いと言われる前置詞を取り上げます。 前置詞は慣用的な用法が多く、日本語の助詞と対応して覚えても使えないことがよくあります。たとえば、「の」に対してofは最も思いつきやすい前置詞です。ところが「ドアの鍵」はthe key of/to the doorですが、「成功の鍵」ではofではなくtoを組み...

【JITF2021】ナオミ・ボウマン「RSIの音声設定:理想的な作業環境の作り方」

ナオミ・ボウマン 2022年に設立50周年を祝う米国の会議通訳サービス会社、DS-Interpretation社のCEO。1990年代初頭から遠隔通訳に関わっており、RSI分野ではその草創期に一部特許も取得している。遠隔同時通訳や新しいテクノロジーが通訳・翻訳業界に及ぼす影響について豊富な知識を有することから、近年はAIICや各地域の会議通訳組織向けに、新しいテクノロジーとの付き合...

保護中: 【第3回】バズワード「AI」の取説「社会における機械学習の活用の類型パターン&事例」

【会員限定コンテンツ】 前回第二回の「機械学習の仕組み」では「どのような手法とプロセスでAIが作られるのか?」について、頻繁に使われる技術的な専門用語を織り交ぜながら説明しました。 第三回の今回は、実際にどのような場面で機械学習や深層学習モデルが使われているか、その類型パターンとともに活用事例をご紹介します。身近な例も含まれるので、前回より皆さんにとって分かりやすい内容となっているか...

【第15回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「心の不調と向き合う」

現役の通訳者の方、あるいは通訳の仕事に就くことを目指しておられる方の共通点は何でしょうか?それは「頑張り屋さん」であることだと私は思います。「勉強が好きで好奇心旺盛」「夢に向かって計画を立てて実行したり、細かいことまで丁寧に調べたりすることに喜びを感じる」というタイプが多いと思うのですね。向上心は尊いですし、謙虚になりつつ目の前のことに全力を尽くすことは、生きがいをもたらしてくれます。 た...

【第1回】通訳案内士のお仕事~北の大地から「コロナ禍の通訳案内士」

皆様、はじめまして。北海道を拠点に通訳案内士・通訳者として活動をしている飛ヶ谷園子と申します。先日(2021年6月20日)オンラインで開催された第3回JACI同時通訳グランプリの本選にて、スピーカーという大役を務めさせていただきました。そしてこの度、通訳案内士の仕事についての連載を始めることになりました。第1回目は、先日のスピーチの内容に沿いながら、コロナ禍における通訳案内士の現状についてお話し...

【JITF2021】大倉美子、今井美穂子「芸能通訳者たちの現場〜もっと映画を広めるために〜」

大倉美子 主な仕事として映画やドラマのエンターテインメント系の英日通訳及び広告の翻訳など。大学卒業後、英国留学(芸術史)を経て、日本の映画配給会社に就職。コレポン、買い付け、交渉、タレントのハンドリングなど国際部として様々な仕事に触れた後、30歳でフリーになり、来日時の取材通訳をメインとした通訳の道に。 今井美穂子 上智大学外国語学部英語学科卒。大手通訳者養成学...

【JITF2021】今井むつみ「言葉と思考-ことばは思考にどのような影響を与えるのか」

今井むつみ 慶應義塾大学環境情報学部教授。Cognitive Science Society 特別名誉会員(Fellow)、運営委員。専門は認知科学、特に言語心理学、発達心理学、教育心理学。1994年ノースウェスタン大学心理学部Ph.D.取得。著書に『英語独習法』『ことばと思考』、『学びとは何か―〈探究人〉になるために』、『言語と身体性』(共編著)、『ことばの発達の謎を解く』、『親...

第3回 JACI同時通訳グランプリ 入賞者の声

【学生部門】 グランプリ 丹羽つくも(ミドルベリー国際大学院モントレー校) この度は、本グランプリ学生の部にて優勝をすることができたこと、大変光栄に思っております。 私が同時通訳の勉強を始めたのはコロナ禍の真っ最中で、実は未だに実際のブースに入ったことがありません。大学院の授業も、二学期間全てリモートでした。そんな中のJACI同時通訳グランプリの初リモート開催。まさか優...

【JITF2021】川根紀夫「ろう者の願い、手話通訳の理論・実践から手話通訳の思想を探る」

川根紀夫 手話通訳の担い手としての第1歩は、1971年(1970年度)、千葉県ではじめて開かれた全20時間の「手話奉仕員養成講座」(現在の手話奉仕員養成カリキュラムでは80時間)でした。よちよち歩きの私が、手話通訳士として成長できたことは、ろう者をはじめとする地域の仲間や全国の仲間の支えの賜物です。以下、私の中央団体の活動の一部を紹介します。 1974年、聴覚障害者福祉と手話...

【JITF2021】荒木悠「現代アート入門」

荒木悠 Yu Araki アーティスト。大学では彫刻を、大学院では映像を学ぶ。2013年タシタ・ディーンによるワークショップ参加をきっかけに、食文化と信仰の伝来を誤訳という切り口で紡いだ映像詩を制作。以後、異文化のはざまや差異に着目し、再演・再現・再解釈といった手法を用いてその真正性を言及する映像インスタレーションを展開してい る。近年の主な個展に「三泊五日 THREE DAYS,...

保護中: 【第3回】遠田和子の無手勝流英文法「aかtheか」

英文を書いているとき、「う~ん、ここはaかな、それともtheかな」と迷った経験があるでしょう。迷った末に「なんとなく、適当に」選択したことはありますか?今回はaかtheかを見極めるときに使える無手勝流キーワードを紹介します。 まずはaです。aは数えられるモノ(可算名詞)に付く冠詞ですから、大前提として「境目がある」ことを表します。他と区別できるからこそ数えられるわけです(詳しくは連載第2回...

【結果発表】第3回 JACI 同時通訳グランプリ

第3回 JACI 同時通訳グランプリの結果を以下の通り発表いたします。 【学生部門】 グランプリ 丹羽つくも (にわ つくも)(Middlebury Institute of International Studies at Monterey) 準グランプリ 渡部美樹 (わたなべ みき)(Middlebury Institute of International Studies...

【JITF2021】角敦子「『図説 狙撃手百科』、さあどう訳そう?——軍事翻訳とお役立ちソース」

角 敦子 津田塾大学英文科卒。ノンフィクションを中心に訳書を多数出版。軍事関係の訳書が多いが、守備範囲は政治、経済、動物、美術、歴史、宗教、食物、動物と幅広い。訳書にデイヴィッド・オレル『[ヴィジュアル版]貨幣の歴史』、ジョン・ウォルター『図説 狙撃手百科』、サラ・ブラウン『ネコの博物図鑑』、M・J・ドアティ『銃と戦闘の歴史図鑑』、『世界の無人航空機図鑑』、R・Y・ペルトン『ドキュ...

【JITF2021】神野裕史「国際機関の英日翻訳 入門編 ~国際通貨基金を事例に~」

神野裕史 英日翻訳者。2015年に米国カリフォルニア州のミドルベリー国際大学院で通訳翻訳修士号を取得後、社内通翻訳者の仕事を日米で1社ずつ経験。2017年8月に再渡米し、2021年8月末までの任期でワシントンDCにある国際通貨基金(IMF)で翻訳官を務めている。 国際機関の英日翻訳 入門編 ~国際通貨基金を事例に~ 通訳者・翻訳者にとって「国際機関」という言葉から思い浮...

【JITF2021】住本時久「IR通訳の醍醐味」

住本時久 米国コロンビア大学国際公共政策大学院卒業、修士号MIA取得。国内最大手証券会社、米系機関投資家・資産運用会社(東京・シンガポール)、上場企業CEO等を経て、フリーランス通訳・翻訳者。IRをはじめ金融、経営、政府・官公庁、学術など高い専門性を要する諸分野をカバー。通訳・翻訳者転身後、博士号取得。現在、大学の非常勤講師も務める。 IR通訳の醍醐味 耳や目に入ってく...

【JITF2021】鴻巣友季子「翻訳の深読み、浅読み」

鴻巣友季子 翻訳家、文芸評論家。訳書に、ブロンテ『嵐が丘』、ミッチェル『風と共に去りぬ』(以上新潮文庫)、ウルフ『灯台へ』(河出書房新社)、クッツェー『恥辱』『イエスの幼子時代』『イエスの学校時代』、アトウッド『昏き目の暗殺者』『誓願』(以上早川書房)、『獄中シェイクスピア劇団』(集英社)、コーリー・スタンパー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』(共訳/左右社)ほか多数。著...

【JITF2021】小野陽子、澤村浩美、森千代、森田系太郎「社内通訳者の社内事情」

小野陽子 カナダのGranville Institute、東京のインタースクール、日米会話学院同時通訳科で学び、2007年に外資系セキュリティカメラ会社の社内通訳翻訳者として通訳キャリアを開始。金融機関、通信会社を経て、現在はSAPジャパン株式会社社長室付き通訳者。2018年より、日本会議通訳者協会(JACI)の理事として同時通訳グランプリの運営に携わっている。趣味は、飽きっぽいの...

【JITF2021】金水 敏「キャラクターを翻訳する—村上春樹作品を中心に—」

金水 敏(きんすい さとし) 1956年生。大阪大学大学院文学研究科教授・国語学専門分野。博士(文学)。東京大学大学院修士課程修了。神戸大学、大阪女子大学等を経て、2001年より現職。2018年6月より2021年5月まで日本語学会会長。2020年12月より日本学士院会員。主たる専門分野は、日本語文法の歴史および「役割語」の研究。主な著書に『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(岩波書店...