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【第6回】通訳者・関根マイクの業界サバイバル・ガイド「パートナーとの連携」

(執筆・関根マイク) 現場デビューすると、多くの現場で他の通訳者と協力して作業することが求められます。通常はエージェントが通訳者の役割分担を決めて、当日のスケジュール表に書き入れて通訳者に送ります。持ち時間で分担することもあれば、セッション別で分担することもありますが、エージェントの分担は絶対ではなく、現場の通訳者で微調整することも多々あります。特に仲が良い通訳者と一緒に組む場合は、最初から...

【第6回】通訳業界サバイバル・ガイド「パートナーとの連携」

Posted March 23, 2018 現場デビューすると、多くの現場で他の通訳者と協力して作業することが求められます。通常はエージェントが通訳者の役割分担を決めて、当日のスケジュール表に書き入れて通訳者に送ります。持ち時間で分担することもあれば、セッション別で分担することもありますが、エージェントの分担は絶対ではなく、現場の通訳者で微調整することも多々あります。特に仲が良い通訳者と一...

【第2回】通訳なんでも質問箱「シーズンとスケジューリング」

「通訳なんでも質問箱」は、日本会議通訳者協会に届いた質問に対して、対照的な背景を持つ協会理事の千葉絵里と関根マイク(プラスたまに特別ゲスト)が不定期で、回答内容を事前共有せずに答えるという企画です。忘れた頃にサプライズが生まれるかもしれません(!)。通訳関係の質問/お悩みがある方はぜひこちらからメールを。匿名で構いません。 では、今回の質問です。 Q. 私は通訳ガイドです。通訳ガイド業界で...

【第31回】現役通訳者のリレー・コラム「医療通訳としての心構え」

医療通訳者の心構えといえば、どなたでも「中立性」や「患者さんとの適度な距離」をまず思い浮かぶでしょう。正直、悩みますね。現場からいくつかの事例を出しながら、医療通訳者に求められている心構えについて考えたいと思います。 バックグラウンドの尊重 まず、日本の医療現場からのいくつかの事例を取り上げたいと思います。 東南アジア出身の女性患者さんが自宅で妊娠検査をしてから旦那さんと一緒に来院しまし...

保護中: 【第7回】知っていればこんなに楽しいワイン通訳~葡萄畑から食卓まで~常識?ワインと歴史にまつわる逸話〜」

【会員限定コンテンツ】 ワインが歴史のエピソードとあわせて語られることはよくあります。特にフランスのエピソードはみなさん大好きで、もはや常識。今日は、通訳する上でも知っておいて損のないエピソードをいくつかご紹介します。 ナポレオンとモエ・エ・シャンドン シャンパーニュ といえば、ドン・ペリニヨン(仏: Dom Pérignon)が有名ですが、このドンペリを生産しているのがモエ・エ・シャン...

保護中: 【第10回】モータースポーツの通訳「予備知識編その3 レーシングコースとタイムテーブル(WHERE & WHEN)ー中編2/2」

【会員限定コンテンツ】 イベント初日 一夜明けて、再びサーキットに戻ってきました。まだ早朝だというのにパドックには昨日にも増して人が増えています。いよいよ本格的なレース・ウィークの始まりです! 今日からは入場許可証(credentials「クレデンシャル」あるいは「パス」と呼ぶ)を提示しないと会場に入れません。パスには”PADDOCK” “RACE CONTROL” “PIT LANE”...

保護中: 【第3回】聖書に学ぶ英語表現と精神世界「足を洗う」1/3

【会員限定コンテンツ】 「色々あって、もういい加減この稼業から足を洗おうと思います。皆さん大変お世話になりました。」 ご心配なく、これは例文です(笑)。 前回折角「切磋琢磨」していこうと言ったばかりなのに、さすがにこれは無いでしょう。通訳稼業は厳しいとはいえ、私は今後もこの仕事を続けるつもりですし、またこのシリーズもネタのある限り延々と続けますので、ご安心ください。さて、「聖書に学ぶ英語表現と...

保護中: 【第3回】放送通訳の世界「トラブル発生!どうする?(機材編)」

【会員限定コンテンツ】 通訳者としてデビューした当時、通訳学校の先生や先輩方に口を酸っぱくして言われたのが、「マイクの取り扱いには気を付けること」でした。スイッチの入れ忘れ・切り忘れという初歩的なミスにより、通訳のアウトプットにも影響が出てしまうからです。放送通訳の現場も同様です。そこで第3回は機材によるトラブル発生について見てみましょう。トラブルは「自分が原因」「自分以外が原因」の2つに分...

【第12回】はじめての通訳~通訳と訓練方法に対する誤解「メモって何を書けばいいのですか、速記のことですか?英語でメモをとってもいいのですか?」

答え 基本的には何でも構いません。メモは速記とは違います。英語でメモを取るのも場合によっては可です。 なぜこのような質問が? この質問は受講生のみならず、現場へ行ったときに一般の方からもよく聞かれます。 気になりますよね、何か書いてあるのか。 初めて通訳講座を受講された方も浮き浮きした調子で「メモ取りを勉強したいです!」とよくおっしゃいます。 ちょっと待った!!メモって本当に必...

【JIF2018】中曽根俊、溝田樹絵「『5つのP』がすべての基本(Perfect Preparation Prevents Poor Performance)」

中曽根俊 ウェストヴァージニア大学卒業。フリーランスの通訳・翻訳者として、NHK衛星スポーツでのアメリカ3大スポーツ中継番組やCNNワールドスポーツでの翻訳・ボイスオーバーなどに携わる。主な通訳経験は、千葉ロッテマリーンズ球団ボビー・バレンタイン監督専属通訳、第1回World Baseball Classic優勝監督・MVPインタビュー通訳、MLBワールドシリーズ・NFLスーパーボウル中...

【JIF2018】森田系太郎「製薬業界の通訳の基礎を1時間でマスター!」

森田系太郎 製薬企業の社内通訳者。モントレー国際大学院(翻訳通訳修士号)、立教大学大学院(異文化コミュニケーション学修士号、社会デザイン学博士号)。編著書に『環境人文学 I/II』(勉誠出版、2017年)がある。JACIのホームページでコラム「製薬業界の通訳」、通訳翻訳WEBで「グローバルビジネス英語」を連載中。 製薬業界の通訳の基礎を1時間でマスター! 薬ができるまでには、一般に「...

JACI同時通訳グランプリ 準備ワークショップ(3月)

日本会議通訳者協会が主催する初の同時通訳グランプリを目指して、一緒に準備を進めましょう!日本会議通訳者協会では、4月まで毎月、グランプリに向けた準備のためのワークショップを開催します。 本ワークショップでは、会議通訳者として経験豊富なJACI会員が講師を務め、同時通訳スキル獲得・向上と、一次予選から本選出場のための実践的対策を学びます。「同時通訳グランプリに出てみたいけれど、自分のスキルが心...

保護中: 【第3回】欧州通勉事情「スピーチ訓練の効能-Think on your feet!」

【会員限定コンテンツ】 今回からは、わたしたちが通った会議通訳コース*で行われた訓練内容のいくつかを取り上げて細かく見ていきます。今月はスピーチ訓練についてです。 (*注 平松さんと坂井が履修した期間は重なっていません。) 初回でも書いたように、わたしたちのコースでは原稿を読み上げずにスピーチができるようになる能力が重視されていました。訓練の仕方は、例えば初めは予め与えられていたトピ...

【第5回】通訳者・関根マイクの業界サバイバル・ガイド「仕事はエージェントとの共同作業」

(執筆・関根マイク) エージェントの登録手続きが無事に終了……してもあなたはまだスタートラインに立ったばかりです。当然ですが、本当の仕事はここからです。今回はあなたの強い味方となってくれる(はず!)エージェント担当者、特に個別の案件を担当するコーディネーターとの関係について書きます。 あなたの適性・経験にマッチした案件が入ると、コーディネーターからオファーメールが届きます。急ぎの案件な...

【第2回】通訳翻訳研究の世界~翻訳研究編~翻訳研究とは?スコポス理論とは何か?

はじめに 当連載の「翻訳研究編」を担当する関西大学の山田優です。現在、大学で翻訳の理論と実践を教えながら研究に取り組んでいます。大学に来る前は、実務翻訳者として仕事をしていました。社内翻訳者時代を含めると、15年以上翻訳実務に携わってきました。 研究や理論というと、実務や実践とは関係ないと思われるかもしれませんが、私は実務翻訳者としての経験から疑問に感じたことを研究のテーマにすることが多い...

【JIF2018】仲田紀子「『壁をとっぱらえ!』建設現場からコミュニケーションを考える」

仲田紀子 同志社大学文学部英文科卒。会議通訳者。通訳デビューは長野オリンピックの公式競技通訳。某テーマパーク建設時の社内通訳を経てフリーランスに。司法、大学、企業などで会議通訳としてキャリアを重ねるも、建設現場の通訳の楽しさに魅せられ、今はヘルメットに安全靴で出勤する毎日。JACIのホームページでコラム「建築現場は今日も晴れ!」を連載中。 「壁をとっぱらえ!」建設現場からコミュニケーシ...

【第5回】通訳業界サバイバル・ガイド「仕事はエージェントとの共同作業」

update:2018/02/20 エージェントの登録手続きが無事に終了……してもあなたはまだスタートラインに立ったばかりです。当然ですが、本当の仕事はここからです。今回はあなたの強い味方となってくれる(はず!)エージェント担当者、特に個別の案件を担当するコーディネーターとの関係について書きます。 あなたの適性・経験にマッチした案件が入ると、コーディネーターからオファーメールが届きま...

【JIF2018】松下佳世「通訳者のパラレルキャリアを考える」

松下佳世 立教大学 異文化コミュニケーション学部・研究科准教授(PhD)、会議通訳者。朝日新聞記者、サイマル・インターナショナル専属通訳者を経て、教育と研究の道へ。2014年9月から国際基督教大学教養学部准教授。2017年9月から現職。通訳翻訳の理論と実践を中心に、学部・院で講義や実務訓練、論文指導を行っている。著書に『通訳になりたい!ゼロからめざせる10の道』(岩波書店)など。『通訳翻...

【第9回】通訳者・翻訳者の子育て「トライリンガルへの長い道のり(前編) 」

(執筆:翻訳者・通訳者 丸岡英明) 私はここ10年オーストラリア在住ですが、その前は台湾に10年間滞在していたため、海外生活はかれこれ20年になります。その間に、台湾人の妻との間に2人の娘が生まれました。私は、翻訳と通訳の両方の仕事をしていますが、仕事の9割は翻訳で、家にいる時間が比較的長く、子育てにも積極的に関わることができました。過去20年間、こうした経験の中で感じてきたトライリンガルの...

保護中: 【第11回】建築現場は今日も晴れ!「スーパー監督~想像と逆算」

【会員限定コンテンツ】 会議に入って通訳していると、「通訳さん、本当によくこの業界のことわかってるね!昔この業界で働いてた?」といわれることがたまにあります。専門家の発言を流暢に訳しているのをはたから見れば、当然通訳者が内容を完璧に理解しているように見えるのかもしれません。でも実のところ、通訳者は理解どころか、専門家同士が何の話をしているのかさっぱりチンプンカンプン、という場合も少なくありま...

【第2回】欧州通勉事情「ジェネリックの授業(言語別でない授業内容―トピックや演習について)」

‭皆さん、こんにちは。イギリス在住通訳者の平松里英です。この連載では通訳仲間の坂井裕美さんと交代で、毎月コラムを執筆させていただいており、今回は私の担当となります。前回は第一回ということで、修士課程会議通訳科のカリキュラムを坂井さんから紹介してもらいました。‬‬‬‬‬ 前回も触れましたが、私は会議通訳科ではなく、通訳科を専攻しましたが、この二つのコースの違いは、ともに6つあるモジュールのうち...

【第1回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「時間管理」

私はこれまで時間管理術や手帳術などで試行錯誤してきました。今回は時間の使い方に関して日頃心がけていることをご紹介いたします。参考になれば幸いです。 1.手帳は常に開いた状態で 私が愛用しているのは4月始まりの紙の手帳です。これは指導先の大学が4月から新年度であるためです。最近は1月、4月、9月始まりなど手帳も多様化していますので、自分にとって使いやすいものを選ぶと良いでしょう。私は「今日の...

保護中: 【第8回】製薬業界の通訳「創薬の通訳」

【会員限定コンテンツ】 第2回で臨床試験、第3回で非臨床試験について書きましたが、臨床・非臨床試験の段階に上げる化合物(compound)をどのように決定するのでしょうか。それが「創薬(drug discovery)」の段階です。今回は、この非臨床試験の前の段階に相当する創薬のプロセスを、低分子化合物(low molecular weight compound;分子量の小さい化合物)をベース...

【第1回】通訳なんでも質問箱「逐次通訳を勉強する本」

「通訳なんでも質問箱」は、日本会議通訳者協会に届いた質問に対して、対照的な背景を持つ協会理事の千葉絵里と関根マイク(プラスたまに特別ゲスト)が不定期で、回答内容を事前共有せずに答えるという企画です。忘れた頃にサプライズが生まれるかもしれません(!)。通訳関係の質問/お悩みがある方はぜひこちらからメールを。匿名で構いません。 では、今回の質問です。 Q. 通訳経験のあるものですが、逐次通訳練...

保護中: 【第9回】モータースポーツの通訳「予備知識編その3 レーシングコースとタイムテーブル(WHERE & WHEN)ー中編1/2」

【会員限定コンテンツ】 ピットレーン コントロールタワーには、さきほどパドックから入ってきた入り口の反対側にもドアがあって、レーシングコース側に出られるようになっています。今日はまだ設営日なので、セキュリティに止められることもありません。外に出てみましょう。 目の前には先程見た観客席(グランドスタンド)。その前には、ちょうど肩の高さくらいのコンクリートの壁とワイヤーフェンスで見えないけれ...

第16回|新年特別記念号☆全部見せます!!ヲタクの仕事道具(前編)

update:2018/02/06 2018年一発目の記事でございます!! 遅ればせながら、この場をお借りして、旧年中のご厚情に心から感謝申し上げます。皆様の日々のお仕事や生活に有益な情報をお届け出来るよう、今年も全力投球していきますので、よろしくお願い致します!!! 今回は、新年一発目「特別記念号」ということで、ちょっぴり趣向を変えて超スペシャル(?!)なテーマを三部作でお届...

【JIF2018】森本由紀「『社内通訳者』という天職 ~カリスマ経営者のJapanese Voice~」

森本由紀 神戸女学院大学文学部英文学科卒。新卒で精密機器会社に就職をした後、グラクソ・ウエルカム(現グラクソ・スミスクライン)での翻訳、ジョンソンコントロールズIFM事業本部での通訳などを経て、2001年より日産自動車でカルロス・ゴーン氏の専属通訳者を務め、現在は会長を含む経営陣の通訳全般を担う。 「社内通訳者」という天職 ~カリスマ経営者のJapanese Voice~ 「通訳する...

【JIF2018】鶴田知佳子「通訳者の「解釈」とはなにか~歴代大統領の通訳から得た学び~」

鶴田知佳子 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授、会議通訳者。NHK衛星放送、CNNなどの放送通訳者。CFA(アメリカ公認証券アナリスト)。AIIC(国際会議通訳者協会)会員。上智大学外国語学部フランス語学科卒業、コロンビア大学経営学大学院修了。MBA(経営学修士)取得。金融業界で10年の勤務経験の後に通訳者となり、目白大学助教授を経て現職。フランス語学科卒業でイタリア在住経験もあり、英語の...

JACI同時通訳グランプリ 準備ワークショップ(2月)

日本会議通訳者協会が主催する初の同時通訳グランプリ目指して、ご一緒に準備を進めましょう!日本会議通訳者協会では、2月から4月まで毎月、グランプリに向けた準備のためのワークショップを開催します。 本ワークショップでは、会議通訳者として経験豊富なJACI会員が講師を務め、同時通訳スキル獲得・向上と、一次予選から本選出場のための実践的対策を学びます。「同時通訳グランプリに出てみたいけれど、自分のス...

第4回 社内通訳者サロン

とかく孤独な作業になりがちな社内通訳者の皆さん、「他社ではどんな通訳をしているのだろう?」、「私の通訳のやり方は自己流になってしまっているのではないか?」、「ほかの社内通訳者は何故フリーランスではなくて社内通訳をやっているのだろう?」、「今後AIや機械化が進むと社内通訳の市場需要はどうなっていくのだろう?」など、さまざまな疑問を日頃からお持ちかと思います。そこで他社の社内通訳者の皆さんと交...