リソース, Page 18

【第5回】駆け出しのころ「変わり種の通訳者」

「私はプロになれるのだろうか」「いまやっていることは本当に役に立つのだろうか」―デビュー前に誰もが抱く不安、期待、焦燥。本連載はプロ通訳者の駆け出しのころを本人の素直な言葉で綴ります。 *** 「この人、カッコイイ! 俺もこの人みたいにペラペラ喋りたい!」当時12歳の少年はテレビに映るその人を見て、通訳という仕事を知り、通訳者になることを決意しました。そこに映っていたのは、ある有名なハリウッド...

【第4回】駆け出しのころ「回り道の末に」

「私はプロになれるのだろうか」「いまやっていることは本当に役に立つのだろうか」―デビュー前に誰もが抱く不安、期待、焦燥。本連載はプロ通訳者の駆け出しのころを本人の素直な言葉で綴ります。 *** フリーの通訳者として働き始めたのは、ほんの数年前のことです。すでに40代半ばを過ぎていました。通訳者になることを夢見たこともなく、当然、通訳学校に行ったこともなければ、社内通訳の経験もありませんでした。...

【第3回】駆け出しのころ「昨日より今日、今日より明日」

「私はプロになれるのだろうか」「いまやっていることは本当に役に立つのだろうか」―デビュー前に誰もが抱く不安、期待、焦燥。本連載はプロ通訳者の駆け出しのころを本人の素直な言葉で綴ります。 *** 「通訳者になりたい。」ぼんやりだけどそう思ったのは高校生の時でした。 きっかけは覚えていませんが、学校の授業で英語が得意で、英語を使って仕事がしたいと思った、そのくらいの気持ちだったと思います。あれか...

【第2回】駆け出しのころ「音楽の都ウィーンでのデビューからワイン通訳になるまで」

「私はプロになれるのだろうか」「いまやっていることは本当に役に立つのだろうか」―デビュー前に誰もが抱く不安、期待、焦燥。本連載はプロ通訳者の駆け出しのころを本人の素直な言葉で綴ります。 *** 現在はほぼ英語オンリーの会議通訳をしていますが、通訳デビューは音楽の都ウィーンでのドイツ語通訳でした。エアコンのないヨーロッパを猛暑が襲った2003年、あの夏のことは今でも鮮明に覚えています。 夏...

【第1回】シリコンバレー徒然通訳テクノロジーだより「用語をまとめて単語帳アプリで活用する方法」

初めまして!米国サンフランシスコ・シリコンバレーを拠点に活動しているフリーランス会議通訳者の黒田玄と申します。 カリフォルニアは外出禁止令が出て1か月、「活動している」なんて言うとJAROに怒られそうですが…。この時期に精力的にオンラインセミナーなどを開催して下さる JACI の関係者の皆様にお礼を申し上げたいと思います。期せずして訪れた閑散期、通訳者にも通訳者以外の方にも便利で身近なテクノロジ...

【第1回】駆け出しのころ「落ちこぼれからドヤ顔へ」

「私はプロになれるのだろうか」「いまやっていることは本当に役に立つのだろうか」―デビュー前に誰もが抱く不安、期待、焦燥。本連載はプロ通訳者の駆け出しのころを本人の素直な言葉で綴ります。 *** 高校2年生の時にオーストラリアの高校に1年間留学しました。留学期間中、日本語では表現できるけど英語で何と言えばいいのか分からない、そんな場面に何度もぶち当たりました。「英語で何て言えばいいのだろう?」と...

【第23回】通訳者・翻訳者の子育て「家庭で育てる世界への興味」

(執筆・通訳者 菱田奈津紀) 我が家は日本人の夫と私、10歳と7歳の娘の4人家族です。通訳という職業柄、「家でも子どもに英語を教えているの?」とときどき尋ねられますが、我が家の英語教育はのんびりしています。日本語環境にいながら、幼いころから家庭で本格的に英会話を教えるとなると、親の側に相当な努力と根気が必要なのではないでしょうか。残念ながら、私はそのようなものを持ち合わせておらず、娘たちから...

【第1回】カイシャの中身「購買」

みなさんこんにちは。日本会議通訳者協会の会員、白倉(しらくら)です。企業勤務経験が長かったので「オマエもそれをネタに何か書け」というプレッシャーを1年近く協会の理事から受け続けて少ない髪がさらに少なくなりました。数回にわたって企業内各部門の働きを書いていきます。よろしくお願いします。 *** 現在はコロナウイルスのため経済活動が大きな制約を受けていますが、昨年2019年の通訳需要は旺盛でした。...

【第28回】ガジェット天国LIVE!レポート(Part 2)

2.ペーパーレス プリンターを紹介した舌の根も乾かぬうちに・・・今度は「ペーパーレス」について(笑)。iPadなどのタブレット端末の活用とソフトウェアやアプリについて取り上げました。 ここは、皆さんもかなり研究されている領域のようで、チャットでも活発に書き込みがありました。《プレゼンの最中にチャットも見ながら進行できたら良かったのですが、先程も書いたように、スライドショーでプレゼンを共有し...

保護中: 【第23回】製薬業界の通訳「臨床薬理の通訳Ⅰ」

【会員限定コンテンツ】 第23回と第24回の2回に渡って、臨床薬理(clinical pharmacology)に取り組んでみたいと思います。 臨床薬理で要になってくるのが、第2回「臨床試験」でも言及した体内動態(pharmacokinetics;PK)です。PKは大きく分けて ①吸収(absorption)、②分布(distribution)、③代謝(metabolism)、④排泄(...

【第4回】チャーリーの金融英語「『スラック』から考える失業率 (その3)」

金融翻訳者のチャーリーこと鈴木立哉さんが、様々な金融用語の背景を紹介し、翻訳者としてどのような思考過程で訳語を考えたのかを解説する連載(不定期)の第4回です。プロの思考法をお楽しみください! ※前回までの記事はこちらからご覧ください。 第2回 「スラック」から考える失業率(その1) 第3回 「スラック」から考える失業率(その2) スラック3―働いていない人々をすべて含めて考...

【第8回】翻訳・通訳会社のクレーム処理「遠隔通訳のクレームⅡ」

翻訳・通訳会社は、翻訳者・通訳者には見えない舞台裏で様々なクレーム処理を行っています。本連載は目的は、その一部を紹介することで、翻訳・通訳会社が日々取り組む業務に関して理解を深めてもらうことです。執筆は現役の翻訳・通訳会社コーディネーター。登場人物はすべて仮名です。 オリンピックも延期となり通訳業界は不安定な状況が続いております。前回に引き続き続きまして、遠隔通訳に関するコラムをお届...

【第10回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「プレゼントの選び方」

フリーランスの通訳者というのは、ある意味「気楽さ」があると私はとらえています。大学卒業後の私は民間企業に勤めていましたが、その時に一番つらかったのが「朝のラッシュ」。私が当時暮らしていた実家はラッシュのひどさで悪名高く、早めの電車に乗っても、なかなか座れないという状況でした。さりとてガラ空きの始発に乗るほど早起きではありませんでしたので、必然的に毎朝押しつぶされながら出社していました。会社到着の時...

保護中: 【第7回】通訳ブースは宝の山「トランプの一般教書演説、大統領選、そして新型コロナウィルス」

【会員限定コンテンツ】 2020年2月4日、トランプ大統領が連邦議会の上下両院の議員に向け、一般教書演説(日本の施政方針演説に相当する)を行なった。英語ではthe State of the Union addressという。Stateは状態、the Unionはアメリカ合衆国を指す古い言い方なので、the State of the Unionの本来の意味は「アメリカの現状」である。大統領が国...

【第1回】トップの通訳「外国人社長付き通訳者の仕事」

こんにちは。日英会議通訳者の菱田奈津紀です。三寒四温の頃が過ぎ、春の陽気を感じる季節となりました。想定していた繁忙期は、世界的なウイルス感染拡大によって失われ、通訳業界も漏れなく大打撃を受けています。このような中、Zoomを活用した遠隔セミナーや朝活などで、通訳業界を盛り上げてくれるJACIに改めてお礼を申し上げたいと思います。私も皆様に刺激を頂いて、自分の通訳訓練法を見直したり、以前購入してあっ...

保護中: 【第12回】通翻訳者が知るべきBrexit「Meaningful Vote」

【会員限定コンテンツ】 世界中どこも同じだろうが、この1ヶ月というものUKのニュースはコロナウイルス(※1)ほぼ一色だ。1ヶ月前にはまだ対岸の火事扱いで、英国でも症例が出てきたにもかかわらず、しっかり手を洗えという注意も無視する人が多かったが、国内で感染が広がり、イタリア、スペイン、フランスで相次いで緊急措置が取られたことで一気に雰囲気が変わった。政府の慎重な対応方針がかえって危機感を増幅し...

【第8回】大手を振って中道を行く−できない私の通訳雑談「大学院でサバイバル!の巻①」

新型コロナウイルス 、大変な状況になっています。フリーランスの方々は皆同じだと思いますが、2月半ばから3月にかけての普段なら「うれしい悲鳴♪」のミニ繁忙期が、キャンセルに次ぐキャンセルで、あっという間に超スーパー閑古鳥。フリーランスという看板を抱えた失業者にとなってしまいました。 さて、前回このコラムを書いたのは2019年の暮れでした。それからお正月がやって来て、瞬く間に去り、「行く前から帰りた...

保護中: 【第19回】放送通訳の世界「やってて良かった!放送通訳」

【会員限定コンテンツ】 通訳というのは、知的好奇心を満たすことのできる最高の仕事だと私は思っています。私の場合、ひょんなきっかけからこの世界に足を踏み入れたのですが、たとえ生まれ変わったとしてもまたこの仕事に就きたいと心から思っています。医師や弁護士のような国家資格はありません。必要なのはたゆまぬ向学心と好奇心、そして経験です。さらに付け加えるなら体力と気力、切り替え力といったところでしょう...

【第7回】翻訳・通訳会社のクレーム処理「遠隔通訳のクレーム」

翻訳・通訳会社は、翻訳者・通訳者には見えない舞台裏で様々なクレーム処理を行っています。本連載は目的は、その一部を紹介することで、翻訳・通訳会社が日々取り組む業務に関して理解を深めてもらうことです。執筆は現役の翻訳・通訳会社コーディネーター。登場人物はすべて仮名です。 通常でしたらハイシーズンのこの時期、今年はコロナウィルスの影響で業務に影響が出ているのではないでしょうか。弊社でも3月...

保護中: 【第18回】放送通訳の世界「アメリカ大統領一般教書演説」

【会員限定コンテンツ】 日本時間の2020年2月5日水曜日11時。トランプ大統領の弾劾裁判が続く中、大統領による一般教書演説が始まりました。これは日本で例えるなら「首相の施政方針演説」に似ています。これまでの1年を振り返り、達成してきた項目、さらに今後の展望などを説明するのがState of the Union address(一般教書)です。略してSOTUと表記するメディアもあります。 ...

保護中: 【第11回】通翻訳者が知るべきBrexit「The Irish Problem」後編

【会員限定コンテンツ】 アイルランド問題の話を続ける。前回はアイルランド島の中に国境が誕生した経緯と、その国境の存在を巡る終わりなき暴力に終止符を打ったベルファスト合意(Good Friday Agreement、GFA)について説明した。不可能と思われていた和平の実現は、EUの枠組みの中だったからこそ可能になったものだった。そうして始まった「両派連立(power sharing)(※1)」...

保護中: 【第6回】通訳ブースは宝の山「スポーツと通訳~集団によるレベル超え」

【会員限定コンテンツ】 2.集団によるレベル超え 前回はスポーツ通訳について書いた。スポーツと通訳の関係は案外深いのである。そもそもアスリートと通訳者には共通点がある。筆者は拙著で、通訳者は職人+アスリートと書いた。職人的だと思うのは、研鑽と経験で技が磨かれる息の長い仕事だと思うからであり、アスリートと感じるのは、通訳者にもアスリートと同じく本番があるからだ。試合に負けた後のテレビのインタビュ...

保護中: 【第7回】大原ケイの背後からメッタ斬り!「医療費で自己破産も珍しくないメチャクチャなアメリカの保険制度」

【会員限定コンテンツ】 体調が悪くてあれこれ検査したら何百万円もかかったとか、救急車に乗ったら最後、破産するしかないとか、手術でもしたら請求書見ただけで心臓発作起こしそうだとか、アメリカの医療制度がおかしいことはいろんな人がいろんなところで紹介ずみなので、知らない人はいないかと。 手っ取り早くその歪んだ仕組みが知りたいのならば、やはりマイケル・ムーアのSickoは面白いかもしれない、指...

【第10回】通訳翻訳研究の世界~翻訳研究編~「翻訳調」とはどんな訳文なのか

今回は「翻訳調」についてお話します。さっそくですが、「翻訳調」を辞書で引いてみると、以下のようにありました。外国語の表現が、そのまま日本語に直訳されているような独特の表現。また、そのような文体の作品(三省堂 大辞林 第三版, Weblio より)。つまり翻訳調とは直訳のような翻訳であることがわかります。具体的に、以下のヘーゲル著『精神現象学』の二種類の訳を比較してみましょう。 ① 最初に或は...

保護中: 【第10回】通翻訳者が知るべきBrexit「The Irish Problem」前編

【会員限定コンテンツ】 2020年1月9日、EU離脱協定法案(EU Withdrawal Agreement Bill, WAB)が下院を通過した。テリーザ・メイが可決を試み230票差の大敗を喫した合意案の改訂版を国内法に反映する法案だ。10月にボリス・ジョンソンがこれをスピード承認させようとした時は大騒ぎになったが、今度はオーストラリアの大火災にイラン危機にハリー王子夫妻の独立宣言と大きな...

【第2回】あの通訳研究って、実際どうなの?「紅白歌合戦を見て感じたこと―LGBTQ+」

皆さん、ご無沙汰しております。2020年はどのように迎えられたでしょうか?さて、この連載、3ヶ月ぶりです。実は別のトピックで原稿を書いていたのですが、紅白歌合戦を見て、「今書かなければ、色褪せてしまう!」と急遽題材を変えて、LGBTQ+について書くことにしました。 2019年12月31日の紅白歌合戦、見た方も見ていない方もいらっしゃると思うので、まず簡単に。最後に歌手のMISIAさんが登場しまし...

【第22回】通訳者・翻訳者の子育て「ちゃんぽんハーフ女子たち」

(執筆・通訳者 根本佳代子) 「Mummy、look! このhouseに入ってjumping up and downしちゃった~」 どこかの芸人かと思うようなちゃんぽん発言の長女。娘たちの日本語教育をどうしようかと思っていた矢先、いきなり東京で単独子育てをすることになった2010年末。当時長女4歳、次女2歳、インターナショナルスクールでは2学年差、日本の学年では年子になるハーフ娘たちと、1...

【第9回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「時間別メニュー」

2020年が始まりました。今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、アメリカでは大統領選挙が、芸術面ではベートーベンが生誕250周年を迎えるなど、色々なことが控えています。私自身、本年も健やかに通訳業務に勤しみたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 さて、1月に入ってから早や数週間が経過しましたが、みなさん、調子はいかがでしょうか?「元旦に計画を立てたけれど、うーん、...

【第6回】翻訳・通訳会社のクレーム処理「クライアントに気を遣わせない」

翻訳・通訳会社は、翻訳者・通訳者には見えない舞台裏で様々なクレーム処理を行っています。本連載は目的は、その一部を紹介することで、翻訳・通訳会社が日々取り組む業務に関して理解を深めてもらうことです。執筆は現役の翻訳・通訳会社コーディネーター。登場人物はすべて仮名です。 あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 12月繁忙期も終わり、春の繁忙期に...

【第3回】チャーリーの金融英語「『スラック』から考える失業率 (その2)」

金融翻訳者のチャーリーこと鈴木立哉さんが、様々な金融用語の背景を紹介し、翻訳者としてどのような思考過程で訳語を考えたのかを解説する連載(不定期)の第3回です。プロの思考法をお楽しみください! 前回はイエレン前FRB議長のスピーチを取り上げたが、「スラック」に入らない「失業者」や「失業者」に入らない「スラック」など、直感に訴えやすい事例が並列的に紹介されているものの、それぞれの段落で語...