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保護中: 【第14回】この台詞に注目!映像翻訳の楽しみ方『哀れなるものたち』

【会員限定コンテンツ】 映像翻訳者の松本陽子です。配信作品を中心に字幕翻訳と吹替翻訳を手がけています。映画を見るのが大好きで、2023年は映画館で180本ほど鑑賞しました。動画配信サービスでも多くの作品を見るなかで、すばらしい訳に出会い、「この見事な技術を身につけたい」と思ってきました。そんな日本語訳を、ご紹介します。 第14回の作品は第96回アカデミー賞で主演女優賞ほか4部門受賞し...

保護中: 【第15回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから「名詞化で短縮」

【会員限定コンテンツ】  放送通訳の最大の特徴。それは「何が出てくるか本番までわからないこと」に尽きます。会議通訳の場合、事前にテーマが告知され、業務日当日に向けて猛勉強できますよね。単語リストを作成し、登壇者のプロフィールをおさえ、動画サイトや著作などをチェックしておくなどなど。やることは山積みですが、この予習部分さえしっかりとおこなっておけば、当日はよほどの「脱線」が無い限り、対処でき...

保護中: 【第8回】安全保障と防衛の日英通訳「データ主権とセキュリティ・クリアランス」

【会員限定コンテンツ】 今年に入り、マイクロソフトやオラクルなど米クラウド大手が、相次いで日本への大規模なデータセンター投資を発表しています。背景には生成AIの急速な普及があると同時に、経済安全保障の観点から、自国のデータを国内で管理する世界的な流れもこうした対日投資を後押ししています。また現在開会中の国会で、セキュリティ・クリアランス制度を創設する新法が可決・成立しました。今回は、このよ...

保護中: 【最終回】こう訳すか、ああ訳すか、それが問題だ「あえて読みやすさを犠牲にする『異質化』」

産業翻訳家時代、よく上司から「翻訳されたものだと気付かないくらい自然な日本語に訳されているのがいい訳だ」と教えられていたものです。たしかに訳文は読みやすければ読みやすいほど「良い翻訳」といえる場合が多いですし、特に産業翻訳の世界ではそれが言えそうです。 しかし、文芸翻訳の世界では、読みやすさをあえて犠牲にしてまで、原文の異質性を前面に出して訳す方法もあり、これを「異質化」といいます。これに...

保護中: 【第8回】薬事の通訳ー医療機器を中心に「様々な医療機器をどう評価するか」

【会員限定コンテンツ】 これまで、医療機器は製品の特徴とリスクにより審査の着眼点が異なると述べてきました(関連:本連載第1回、本連載7回)。第8回では、様々な医療機器の分類の観点から抜粋して数点紹介します。 医療機器の分類 有体物・無体物 (tangables, intngables) 法による定義はありませんが、有体物はモノとして存在する医療機器、無体物はソフトウェア医...

保護中: 【第17回】あの通訳研究って、実際どうなの?「専門職と倫理観」

【会員限定コンテンツ】 プロとして、専門職としての倫理観を考える  世間は長期連休を迎え、国内外の観光地に関するニュースを頻繁に見る時期となりました。しかし、統計では自宅で過ごす割合が最も多く、観光地はいわゆるインバウンドによる海外からの観光客で賑わっているようです。経済的には「お金を落としてくれる観光客」ではあっても、オーバーツーリズム問題も出てきており観光客のマナーが課題となって...

【最終回】手話通訳士への道「ー終わりにー」

 意地の悪い私は、「コーダ(ろう者の両親のもとで育った聞こえる子)」なので、勉強会などで手話通訳が用意されているとき、次のように自己紹介することがあります。 私は「コーダ」です。よく「あーだこーだ(コーダ)」とうるさい川根といわれています。 というと聞こえる人からは笑いが漏れますが、ろう者からの笑いはほとんどありません。 「あーだこーだ」を、ある通訳は、「あーだ」を人差し指で左...

【第8回】通訳留学奮闘記~梨花女子大学校通訳翻訳大学院編~「辛くて辛い、同時通訳トレーニング」

34歳でハングル文字から韓国語学習をスタートさせ40歳を目前に韓国の通訳翻訳大学院(=通大)に入学した私が、「通訳のための海外留学」のリアルな実態をお届けします。 今回は「同時通訳ブースの中で迷走する話」です。 いよいよ始まった同時通訳の本格訓練 冬休みが終わり、3月から新たな学期がスタートしました。 今学期の必須科目は、「専門逐次通訳」「同時通訳AB(韓日)」「同時通訳...

保護中: 【第14回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから「四字熟語は便利(ただし条件付き)」

【会員限定コンテンツ】  同時通訳をしていると、いかに「省エネで訳せるか?」が大事になってきます。何しろ和訳を考えているうちに、ヘッドホンから聞こえる英語はどんどん先を行っているのです。悩んでいる暇はありません。瞬時に考えてそれを口にする。その繰り返しにつきます。よって、回りくどい日本語や、口の動きが上下左右に激しくなるのも私にとっては避けたいところ。短い単語で内容をズバリ表現できる和訳が...

保護中: 【第7回】薬事の通訳ー医療機器を中心に「医療機器承認審査の視点」

【会員限定コンテンツ】 第6回では、製品のリスクと新規性に基づいて申請・審査における取り扱いが変わることを説明しました。第7回では、申請戦略を作ったり、審査されるときの着眼点について掘り下げて説明します。まずは、何を記載するのか見ていきましょう。 承認書には何が書かれているか 承認書(申請書)には、下記の内容を記載します。*1 使用目的(Intended use)、形状構...

保護中: 【第6回】フランスとレイシズム「パリ・オリンピック、アヤ・ナカムラ、そして不可視化される人々」

【会員限定コンテンツ】  二月末。今夏にパリ開催を予定されているオリンピック・パラリンピックの開会セレモニーで、大統領エマニュエル・マクロンが、ある有名歌手に開会セレモニーでの歌唱披露を要請した、との「エクスプレス」紙による報道が議論を巻き起こした。 その歌手とはアヤ・ナカムラで、30歳にも満たない若さながら、いまや世界中で最も聴かれているフランス語圏歌手と言われている。去年5月のパ...

保護中: 【第13回】この台詞に注目!映像翻訳の楽しみ方『ナポレオン』

【会員限定コンテンツ】 映像翻訳者の松本陽子です。配信作品を中心に字幕翻訳と吹替翻訳を手がけています。映画を見るのが大好きで、2023年は映画館で180本ほど鑑賞しました。動画配信サービスでも多くの作品を見るなかで、すばらしい訳に出会い、「この見事な技術を身につけたい」と思ってきました。そんな日本語訳を、ご紹介します。 第13回の作品はリドリー・スコット監督がフランスの皇帝ナポレオン...

保護中: 【第9回】こう訳すか、ああ訳すか、それが問題だ「依頼者のニーズに焦点を当てる『スコポス理論』」

今回は、どのような翻訳が“良い翻訳”かに関して、翻訳する人の立場ではなく、訳文を利用する側の立場から考えてみることにしましょう。 おそらく翻訳家の多くはそれぞれ「こういう翻訳が良い翻訳だ」という持論を持っていることでしょう。もちろん、それはむしろ当然のことであり、それ自体が悪いわけではありません。ただ、それが利用者のニーズと異なる場合は、翻訳家がいくら“良い翻訳”だと言い張っても、利用者か...

保護中: 【レポート】AnimeJapan 2024

この春に立ち上がる予定のJACI エンタメ・スポーツ通訳部のメンバー、重友亜希子と田中心一郎が一足早くAnimeJapan 2024に参加して情報収集・業界交流を行いました。以下はそのレポートです。 <重友亜希子> ◆3月24日(日) パブリックデイ@東京ビッグサイト  三密という言葉の記憶も遠くなりつつある今春、東京ビッグサイトには3月23日・24日の2日間で13万人...

保護中: 【第13回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから「日本の文化用語に訳しちゃった!!」

【会員限定コンテンツ】  同時通訳では一瞬の判断で訳語を選んでいきます。迷う時間はありません。それどころか、少しでも黙ってしまうとそのまま沈黙all the wayになりそうな恐怖にかられます。聞き手のお客様にしてみれば、それほどの空白時間ではないはず。でも同通まっただ中の通訳者のアタマの中はこんな感じ: 「わっ!訳語が出てこない。どーしよー?関連用語でも何でも良いから、早よ、出てこ...

【第23回】手話通訳士への道「手話通訳のやり方」

今回は、手話通訳士・者のあり方・動き方をふまえ、やり方について考えてみたいと思います。私は現場に出向いたとき、通訳を利用する人たちの関係性や話題等から、どのような「やり方(通訳)」が求められているのかを考えます。当然事前にわかっていることもありますが、現場で知る生の情報を生かす2つの決め手を紹介します。一つ目は、次の10の柱からなる「手話通訳に対する期待の内容」です。これは、ろう者の期待ですが、...

保護中: 【第5回】フランスとレイシズム「ある悲惨な小説について」

【会員限定コンテンツ】   パリ五区に位置する観光名所の一つ、パンテオンは、フランスの歴史的偉人たちを祀る巨大な霊廟だ。この墓所に登録される人物の指名権は第五共和制発足以降、共和国大統領のみに与えられており、その人物が残した足跡を国家の歴史のうちに正式に刻むために現在もなお、新たな誰かがこの施設の中に加えられている。  それゆえにパンテオンとは非常に政治的な施設と言える。というのも、...

保護中: 【第7回】安全保障と防衛の日英通訳「憲法と自衛隊の活動」

【会員限定コンテンツ】 ちょうど10年前になりますが、「集団的自衛権」が毎日のように報道された時期がありました。第3次安倍内閣で平和安全法制が成立した前後です。この法制成立は、戦後の安全保障政策の転換点となったわけですが、今回はこれによって自衛隊の活動が広がった経緯や、戦後続く憲法と自衛隊に関する議論の背景について見ていきたいと思います。 憲法9条と自衛隊 日本人の誰もが公民の...

保護中: 【第6回】薬事の通訳ー医療機器を中心に「医療機器の分類」

【会員限定コンテンツ】 本連載の5回までは概念的な部分について書いてきました。今回から数回にわたって薬事規制に関する各論についてお伝えしていきます。第6回は「医療機器の分類」と題し、医療機器規制の分類を説明します。 使い方による分類:一般的名称と使用目的  第1回でも言及しましたが、医療機器は一般的名称ごとにクラス分類され、クラス分類に応じた規制を受けます。一般的名称(Japa...

保護中: 【第5回】匂いにまつわるなにやかや「香料の種類」

【会員限定コンテンツ】 こんにちは、栗原です。 先だって散歩中はっとするような爽やかな甘い香りが漂ってきて、きょろきょろしながら慎重に進むと沈丁花が咲いていました。今年初めての沈丁花でした。さて、そんないい香りを取り出したい時、どうしたらいいのでしょうか。第5回の今回はそんな香りの抽出方法についてです。 と、その前に。取り出したい香りがどんな匂い物質からできているのか、そしてそ...

保護中: 【第8回】こう訳すか、ああ訳すか、それが問題だ「翻訳家と聖書」

W・A・グロータースはその著書『誤訳』で次のように述べています。 「日本でヨーロッパの文学作品を訳す時、何かわからない“X”が訳者の前に立ちはだかっている。それはヨーロッパ文化の底深く横たわっているものである。ヨーロッパ人の生活の具体的な、こまごました事実が訳者にとって理解できないために、いろいろ困ったことが起きる。ことに文学作品のなかに隠れているキリスト教文化は日本の訳者にとって苦手なも...

保護中: 【第12回】今日も苦し紛れ!放送通訳のブースから「turning of the season」

【会員限定コンテンツ】  「〇月△日 放送通訳」「*月#日 会議通訳」という具合に、私の手帳にはスケジュールが書かれています。長年愛用しているのは見開きのカレンダータイプ手帳。一カ月を丸ごと見渡せるため、その月の予定が一目瞭然です。これを見ながら、いつ、どの業務の準備をするか考え、日々のスケジュールに落とし込んでいます。 今でこそ「締め切りからさかのぼって勉強計画を立てる」を意識でき...

【第7回】通訳留学奮闘記~梨花女子大学校通訳翻訳大学院編~「もう何もかもやめたい」

34歳でハングル文字から韓国語学習をスタートさせ40歳を目前に韓国の通訳翻訳大学院(=通大)に入学した私が、「通訳のための海外留学」のリアルな実態をお届けします。 今回は「留学やめて日本に帰りたいと思った話」です。 スタートから波乱含みとなった冬休み 前回記事の最後に「気を引き締めて精一杯勉強していこうと思います!」などと鼻息荒く宣言していた私。そのまま2か月半の長期休暇へと突...

【第22回】手話通訳士への道「運動にみる手話通訳(士・者)のあり方・動き方」

 第19回~21回では法令による手話通訳(士・者)のあり方を紹介しました。  細かく分けると、手話通訳事業のあり方、手話通訳のあり方、手話通訳士・者のあり方に分けられるのですが、手話通訳士・者のあり方に絞らせていただきました。読まれた皆さんが、手話通訳のあり方、さらには手話通訳事業の手話通訳提供のあり方にまで膨らませていただけることを期待しながらまとめたものです。  さて、この「あり...

保護中: 【第33回/最終回】「ライラックの花香るころ―中国語を生涯の友として」

結びの言葉 2020年の春ごろには、日本と中国の間でマスクを通して友情の花が開いたかのように見えた。だが、コロナ禍が長引くにつれ、コロナ防止対策として、不要不急の外出を避け、巣籠もり、黙食、無言社会などが提唱されるに至って、人と人の交流が少なくなり、ますます疎遠になっていくように感じられた。 2022年9月29日には、日中国交正常化50年を迎え、オンラインによる新たな交流もある程度盛...

保護中: 【第4回】フランスとレイシズム「ある悲惨な小説について」

【会員限定コンテンツ】  2024年1月17日。フランス最高裁判所(破棄院)は、それが人種差別的な名誉毀損にあたるとして、ある小説に有罪判決を下した。その小説とは2020年夏、雑誌『ヴァルール・アクチュエルValeurs Actuelles』誌に偽名で掲載されたわずか七頁の作品で、『オボノ・アフリケーヌObono Africaine〔=アフリカ人女性・オボノ〕』と題されていた。タイトルが示...

保護中: 【第32回】「ライラックの花香るころ―中国語を生涯の友として」

サンクトペテルブルクー歴史と文化の街 朝ホテルで、銘々に大きなランチ・ボックスが配られる。サンドイッチ、フルーツ、ヨーグルトなど盛りだくさん。  モスクワに別れを告げ、到着したときと同じドモジュドヴォ空港へ向かい、この旅最後の目的地サンクトペテルブルクへ飛び立つ。残念ながらイワンさんとはここでお別れ。  サンクトペテルブルク(わたしにとっては、レニングラードのほうが馴染みやすい...