リソース, Page 25

【第10回】通訳者・関根マイクの業界サバイバル・ガイド「ビジネスオーナーとして考える その1」

(執筆・関根マイク) 私がまだ沖縄で通訳をしていた頃、ある国際会議で人手が足りず、九州から2人の同時通訳者が派遣されたことがありました。会議が始まる1時間前に現場入りして、すぐに講演者との打ち合わせが始まったのですが、それが一段落したあと、講演者が記念に担当通訳者の私と一緒に写真を撮りたいと言って、近くで資料を読んでいる九州の通訳者Aさんに「写真をお願いできますか?」と聞きました。通訳者Aさ...

【第9回】通訳業界サバイバル・ガイド「スケジューリング その2」

Posted June 25, 2018 前回の続きです。当初は1回ですべてを盛り込む予定だったのですが、スケジューリングは価格設定と同じくらい重要なトピックなので、2回に分けてお届けすることにしました。 キャリアは長いスパンで考えよう 私が活動拠点を東京に移して間もないころ、「1日に半日案件(4時間以内などの案件)を2件、あわよくば3件~4件くらい入れるのが効率いいよね?」と...

【第1回】インドネシア語通訳の世界へようこそ「インドネシア語通訳を巡る現状(概観)」

はじめに いわゆる「なるには本」をはじめ、通訳志望者に向けた情報は世にあまた出回っています。とはいえ、その多くは「英語の」という(半ば暗黙の)枕ことばが付いたもの。「インドネシア語の」となると、ほぼ見当たらないのが現状です。 仕方なく英語の世界になぞらえて考えようとするわけですが、これがそう簡単にいきません。相通ずる点もあるにせよ、何せ通訳学校の有無に始まって前提となる土台が違います。 ...

保護中: 【第13回】モータースポーツの通訳「予備知識編その3 レーシングコースとタイムテーブル(WHERE & WHEN)ー後編3/3」

【会員限定コンテンツ】 決勝日 さて、予選から一晩明けて、今日はいよいよ決勝日(Race day)です!まだ朝も早いというのに、パドックは関係者やゲストで賑わって、まるでお祭りのよう。浮かれているような、張り詰めているような、独特の興奮と緊張感があたりに充満しています。「オリンピックには魔物がいる」とよく言われますが、決勝日のレーシングコースも、たくさんの人たちの夢や野心、期待、責任感、緊張感...

保護中: 【第6回】欧州通勉事情「平松・坂井対談(於バルセロナの地下鉄)」

【会員限定コンテンツ】 今回はいつもロンドンベースに寄稿頂いている坂井裕美さん、平松里英さんお二人の対談形式でお送りいたします。(以下略称省略) ***************** 坂井:今回は大学院の後半に行われる模擬会議の演習で学んだことについての対談です。EU/UNモヂュールは学生たちが4つのグループの分かれて、トピックの選定から会議の運営まで全て自分たちで行います。 ...

保護中: 【第5回】放送通訳の世界「東日本大震災、その時スタジオは」

【会員限定コンテンツ】 世界の中で大きな出来事が発生すると、そのとき自分がどこで何をしていたかが強烈に記憶されます。私の場合、ダイアナ妃死去、ニューヨークの9・11事件、そして東日本大震災の3つが自分の心の中で一定の位置を占めています。 2011年3月11日の数日前から予兆は感じていました。それまでとは異なる激しい揺れが何度か起きていたからです。これを受けて我が家では、念のため巨大地震...

保護中: 【第6回】聖書に学ぶ英語表現と精神世界「通訳者の立場」

【会員限定コンテンツ】 こんにちは。今回は趣を変え、聖書に出てくる逸話を通して通訳者の立場について考察をしてみたいと思います。ご存知のように、通訳は職業の中でも最も古い職業の一つですが、実は聖書にも通訳者が登場している事を皆さんはご存知でしたでしょうか。ただ、その話を紹介するにはちょっと聖書の時代背景や登場人物を理解している必要があるので、初めにそれらを紹介したいと思います。 聖書のス...

【第3回】通訳翻訳研究の世界~通訳研究編~「意味の理論」を考える

皆さん、お久しぶりです。「通訳研究編」は半年ぶりですね。連載初回(2017年秋号)は、通訳者が何も足さず、何も引かず、何も変えずに「そのまま訳す」ことができるという世間の思い込みと、その根底にある「導管モデル」というコミュニケーションモデルを紹介しました。今回は、主に通訳者を養成する現場で発展した理論である「意味の理論」を取り上げます。なにやら堅苦しい話になりそうだと感じるかもしれませんが、具体例...

【第9回】通訳者・関根マイクの業界サバイバル・ガイド「スケジューリング その2」

(執筆・関根マイク) 前回の続きです。当初は1回ですべてを盛り込む予定だったのですが、スケジューリングは価格設定と同じくらい重要なトピックなので、2回に分けてお届けすることにしました。 キャリアは長いスパンで考えよう 私が活動拠点を東京に移して間もないころ、「1日に半日案件(4時間以内などの案件)を2件、あわよくば3件~4件くらい入れるのが効率いいよね?」というような発言をしていた通訳者...

【第11回】通訳者・翻訳者の子育て「小さいうちは楽しく英語に触れる」

(執筆:通訳者 国元真実) 「通訳者で、8、6、3歳の男児の母」と言うと、たいてい「すごい(子沢山)ですね!」と。そして「お子さんは英語ペラペラですか?」という質問をいただきます。 今回は、我が家の英語事情と、子どもの教育において大切にしていることを書きたいと思います。 3人の男児は日常の遊びの中に英語を まず、冒頭の質問については、「3人ともまったくしゃべれません!」 我が家では、...

保護中: 【第5回】聖書に学ぶ英語表現と精神世界「足を洗う」3/3

【会員限定コンテンツ】 さて、聖書に学ぶ英語表現と精神世界連載第5回は、これまで見てきた「足を洗う」の表現についてのしめくくりをしたいと思います。 前回は、日本語でいう「足を洗う」という表現が英語では「手を洗う」となっており、洗う個所が異なるという事を指摘しました。また、この表現は辞書によると、人や物事に対しての関わりを絶つことであり、問題等をあたかも手についた泥を洗い落とすかのように...

第19回|新年特別記念号☆全部見せます!!ヲタクの仕事道具(後編)

Posted May 21, 2018 1月からお届けしてまいりましたシリーズもいよいよ最終章。とはいえ、早いものでもう5月です。「新年」じゃなくて「新年度」だろう、とツッコミを入れられてしまいそうですが・・・。どうか今回もよろしくお付き合いくださいませ。 今回ご紹介するものをケースから出して、あらためて並べてみました。 見慣れたグッズもあれば、同業者をもってしても謎と...

保護中: 【第9回】知っていればこんなに楽しいワイン通訳~白ワインの醸造編~」

【会員限定コンテンツ】 今回は前回の赤ワインに引き続き、白ワインの醸造のプロセスについてお届けしたいと思います。 これから夏に向けて、キリっと冷やした白ワインが美味しい季節になりますね。白ワインは、甘み、酸味、渋味の要素のうち、酸味が重要な要素になります。赤ワインは、この3つの要素でバランスをとるのですが、白ワインは渋味の要素が少ないため、酸味がないとだらっとした印象のワインになってし...

保護中: 【最終回】建築現場は今日も晴れ!「Another Beautiful Day on Site!」

【会員限定コンテンツ】 今年はお正月明けから4月末まである現場に入っていました。今回は、建設現場というより、機械の組み上げの現場で、使う用語も違い、使う工具の種類も豊富でした。このような現場では、外国人スーパーバイザー(SV)と日本人の職人さんたちが一緒に作業を進めるので、「~(工具)をとってくれ」という内容が多くなります。例えば、「スパナ」や「トルクレンチ」だとそのまま”spanner”,...

【第34回】現役通訳者のリレー・コラム「スポーツ通訳者の心構え」

スポーツ通訳についての原稿依頼を頂いて正直困ってしまいました。一概にスポーツ通訳と言ってもそのようなジャンルがあるわけでもないからです。 ここでは現場、放送、スポーツ界の政治に分けてみたいと思います。 現場での通訳者も多種多様ですが、一番わかりやすいのは監督の横で同じような形相で怒鳴っているような図でしょうか?監督やチーム、選手の間で通訳する際はどこまで監督になりきるか?中立性を堅持す...

【第8回】通訳者・関根マイクの業界サバイバル・ガイド「スケジューリング その1」

(執筆・関根マイク) 社内通訳者はスケジューリングで悩むことはあまりないと思いますが、フリーランス通訳者にとっては悩ましい問題です。というのは、スケジューリングの結果が収入に直結するからです。投資や副業をしていない限りフリーランスの収入は「案件数x単価」でほぼ確定するので、自分の体力・気力と相談しながらいかにスケジュールを最適化できるかが重要な課題になります。 キャリアステージで異なるスケ...

【第2回】柴原早苗の通訳ライフハックス!「手帳術」

今月は「手帳」に関してお伝えします。みなさんはどのような手帳をお使いですか?今の時代、アプリや多機能型デジタルツールなど、スケジュール管理も多様化しています。それでもなお「紙の手帳」に私はこだわります。 1.なぜ紙の手帳? もちろん人それぞれ好みは異なりますが、私の場合、「自分の手で書いたこと」は強烈に記憶されます。手帳を開き、日付を確認しながら仕事の予定を書き込むことで、いつ・どこで・どの...

【第8回】通訳業界サバイバル・ガイド「スケジューリング その1」

Posted May 16, 2018 社内通訳者はスケジューリングで悩むことはあまりないと思いますが、フリーランス通訳者にとっては悩ましい問題です。というのは、スケジューリングの結果が収入に直結するからです。投資や副業をしていない限りフリーランスの収入は「案件数x単価」でほぼ確定するので、自分の体力・気力と相談しながらいかにスケジュールを最適化できるかが重要な課題になります。 キャ...

【第33回】現役通訳者のリレー・コラム「フリーランス通訳者のワークライフバランス」

さてさて、この度はJACIのありがたいオファーにて、「フリーランス通訳者のワークライフバランス」とのテーマで徒然なるままに寄稿いたします。 そもそも「ワークライフバランス」とは のっけから、いただいたお題でちゃぶ台をひっくり返すような形になってしまい大変恐縮なのですが、私は「ワークライフバランス」という言葉はあまり好きではありません。 「ワーク」の対義語って「ライフ」なんでしょうか? ...

保護中: 【第10回】製薬業界の通訳「QA・QCの通訳」

【会員限定コンテンツ】 第5回で「薬剤の生産の通訳」に取り組みましたが、では生産された薬剤の品質が確保されているのか、どうやって担保しているのでしょうか。ここで登場するのが品質保証(Quality Assurance;QA)と品質管理(Quality Control;QC)です。今回は、薬の生産に係る“縁の下の力持ち”であるQAとQCの作業を見ていきましょう。 まずは「QA」「QC」「...

保護中: 【第5回】欧州通勉事情「リレー通訳の授業~挑戦!6分間のロング逐次」

【会員限定コンテンツ】 ロング逐次 初回で紹介しましたが、EUの認定通訳者になるための試験には6分間のロング逐次通訳があります。スピーカーが6分間延々と話し続ける間に通訳者はひたすらメモを取り、それから一気に6分間分を訳出します。皆さんご存知のように、訳出はオリジナルより若干短くなることが理想です。 この試験を受けられるような候補者の育成も会議通訳科の目標の一つですので、もちろん授業中に...

保護中: 【第12回】モータースポーツの通訳「予備知識編その3 レーシングコースとタイムテーブル(WHERE & WHEN)ー後編2/3」

【会員限定コンテンツ】 (前回からの続きです)ピットウォークを冷やかしたい気持ちをぐっとこらえて(笑)、パドックの外れの坂を下りたところにある建物に行ってみましょう。”MEDICAL CENTRE”という看板があります。 MEDICAL CENTRE ここは「メディカル・センター」。いわゆる「医務室」です。最新の蘇生設備(resuscitation equipment)や外科手術台(op...

保護中: 【第11回】モータースポーツの通訳「予備知識編その3 レーシングコースとタイムテーブル(WHERE & WHEN)ー後編1/3」

【会員限定コンテンツ】 さて、一夜明けて、今日は予選日(Qualifying Day)です。 審査委員会 審査委員会室の中を覗いてみると、朝早くから誰かが翻訳をしているようです。同業者ですね(笑)。ちょっと話を聞いてみましょう。 「私は審査委員会付きの通訳…兼翻訳者です。昨日の夕方、第一回の審査委員会(the 1st Stewards’ Meeting) が行われたので、その議事録...

【第7回】通訳者・関根マイクの業界サバイバル・ガイド「プロフェッショナルとしての倫理」

(執筆・関根マイク) 私が倫理を語る資格があるのかという、そもそも論はとりあえず横に置いておいて(笑)、今回は主にフリーランス通訳者が仕事をする上で重要な倫理的問題について書きます。プラクティカルな意味での通訳者の職業倫理はあまり語られることがありませんが、狭い業界だからこそ知っておくべきことです。悪い噂は強風に煽られる山火事のようにすぐに広まりますから。 クライアントを盗むな エージェ...

第18回|新年特別記念号☆全部見せます!!ヲタクの仕事道具(中編2/2)

Posted April 20, 2018 (前回の続きです。) 4.筆記用具 通訳者の筆記用具は、大別すると以下の2つがあると思っています。 「通訳メモ用」「資料への書き込み用」 いずれも、こればかりは個人の趣味嗜好の領域?!「絶対的正義」なんてものはなく、本人が良い気分で使えれば何だっていいんじゃないか、と思っております(BICのボールペンを北米出張のたびに爆買...

【最終回】はじめての通訳~通訳と訓練方法に対する誤解「まとめ」

今回で14回にわたる「はじめての通訳」が最終回となります。そこで、今までの振り返りと総括をしてみたいと思います。いつもの形式で― 今回は自分自身への質問で―進めます。 なぜこのテーマで原稿を書こうと思ったのか? このアイディア―なぜこんな質問が?とその回答―を思いついたのは私が『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著、2013年、キングベアー出版社 )を読んでいるときでした。 この本では...

【第7回】通訳業界サバイバル・ガイド「プロフェッショナルとしての倫理」

Posted April 17, 2018 私が倫理を語る資格があるのかという、そもそも論はとりあえず横に置いておいて(笑)、今回は主にフリーランス通訳者が仕事をする上で重要な倫理的問題について書きます。プラクティカルな意味での通訳者の職業倫理はあまり語られることがありませんが、狭い業界だからこそ知っておくべきことです。悪い噂は強風に煽られる山火事のようにすぐに広まりますから。 クラ...

保護中: 【第8回】知っていればこんなに楽しいワイン通訳~赤ワインの醸造編~」

【会員限定コンテンツ】 10回シリーズのシリーズも残り3回となりました。醸造のプロセスについて8回と9回でお届けしたいと思います。ワインがどのように作られるのか、全体像を知っておくと、生産者やオーディエンスの話をより鮮明にとらえることができるからです。 例えば、こんな会話になるときに、醸造過程を知らないとかなり厳しいだろうなと思います。 「スキンコンタクトしています」 「どのくらい...

保護中: 【第4回】聖書に学ぶ英語表現と精神世界「足を洗う」2/3

【会員限定コンテンツ】 聖書に学ぶ英語表現と精神世界連載第4回 は、前回に引き続き「足を洗う 」の表現について引き続き見て行こうと思います。 前回は、「足を洗う」という表現は、文化背景によってまったく異なる形で認識されているという事を紹介しました。 日本語では仏教を基礎とする文化背景から、僧侶が修行を終えて寺に帰る際に汚れた足を洗い、俗界の煩悩を清めてから神聖な寺で仏行に入った事...

保護中: 【第4回】欧州通勉事情「リレー通訳の授業~多言語クラスの最大の魅力(後編)」

【会員限定コンテンツ】 前編はこちらから To B or not to B Into B (B言語方向への通訳)の議論も進化し、ロシア・東欧の通訳教育の中で主張されてきたA言語からB言語へ訳すことのメリット(comprehension bonus)が受け入れられ、表現のデメリット(expression deficit)と対比して話し合われるようになりました。 ※参照 “Can an...