伊藤恵子

【第33回】駆け出しのころ「らせん階段と下りのエスカレーター」

「私はプロになれるのだろうか」「いまやっていることは本当に役に立つのだろうか」―デビュー前に誰もが抱く不安、期待、焦燥。本連載はプロ通訳者の駆け出しのころを本人の素直な言葉で綴ります。 *** 私にとって憧れの通訳は遥かかなたでした。 公立の中高でふつうに勉強しただけの英語だったので、外国語に定評のある大学に入ったからといって、それで英語力がぐんと伸びたという訳にはいきません。それで...