【第21回】イギリスの通訳業界事情 坂井裕美さん update:2017/03/28 皆さん、初めまして。わたしはロンドン在住の英日通訳者で坂井裕美(ひろみ)と申します。働きながら大学院の会議通訳コースにも通っています。小・中・高校生の3人の子どもを持つ年季入りのおばさんではありますが、通訳歴はまだ4年半です。 つまり、わたしも今、流行り(と勝手に決める)の「中年過ぎの通訳者デビュー」だったのです。それ以...
【第10回】駆け出しのころ「回り道はしたけれど」 「私はプロになれるのだろうか」「いまやっていることは本当に役に立つのだろうか」―デビュー前に誰もが抱く不安、期待、焦燥。本連載はプロ通訳者の駆け出しのころを本人の素直な言葉で綴ります。 *** 皆さんこんにちは。私はイギリス在住の英日通訳者です。私が駆け出しの通訳者だったころを形容すればそれは正に「下積み」。通訳の仕事がほとんどなかったからです。ギターを片手に木枯らしの吹く中、場末のスナックを渡り...
【JIF2019】坂井裕美「通訳者から見た欧州通訳事情」 坂井裕美 ロンドン在住の英日会議通訳者。得意分野はIR、原子力廃止措置、舞台芸術、ファッション、サッカー。証券会社社内翻訳者を経て専業主婦生活18年。その後夫の早期リタイアに伴って7年前に通訳者としてデビュー。昨年会議通訳の修士号とパブリックサービス通訳のディプロマを取得して今に至る。大・高・中の3人の子供の母。中国語およびファッションの学位も保有。 通訳者から見た欧州通訳事情 ...
保護中: 【第11回】欧州通勉事情「平松・坂井の弥次喜多対談―後編」 【会員限定コンテンツ】 皆様、いよいよこの連載も今回が最終回となりました。というわけで、今回は特別に大学院での学びに関わらず、平松・坂井コンビが過去に経験した通訳に関するエピソードをご紹介したいと思います。今回の対談はリスボンからロンドンに向かう飛行機の中で行っております。(前回『弥次喜多対談』はこちらから) *** 平松:資料だったらなんでもいいわけではないけれど…。 坂井:資料...
保護中: 【第10回】欧州通勉事情「平松・坂井の弥次喜多対談―前編」 【会員限定コンテンツ】 皆様、いよいよこの連載も今回が最終回となりました。というわけで、今回は特別に大学院での学びに関わらず、平松・坂井コンビが過去に経験した通訳に関するエピソードをご紹介したいと思います。今回の対談はリスボンからロンドンに向かう飛行機の中で行っております。 *** 坂井:里英さん、今年は何回も組ませて頂きましてお世話になっております。これまでで一番忘れられないエピソード...
保護中: 【第9回】欧州通勉事情「B言語への同時通訳」 【会員限定コンテンツ】 お題「B言語への同時通訳」 今回は坂井と平松が半分ずつ、同じテーマに沿ってそれぞれ全く何の打ち合わせもなく好き勝手な所感を書いてみます。お題は「B言語への同時通訳」ですので、私たちの場合は英語への同通ということになります。英語への同通については先月の「リレー通訳」の記事にも書きましたが、今回は日頃私たちがB言語に対して感じている率直な意見を書いてみようかなと思っておりま...
保護中: 【第8回】欧州通勉事情「ハイジャック事件:それはケニアのナイロビで発生した」 【会員限定コンテンツ】 皆様、世界中で凄まじい暑さが続いておりますね。ここロンドンでも今年は日中の気温が30度を楽に超す日々が続き、珍しく熱帯夜などというものも発生しています。イギリスの一般家庭にはクーラーなどもちろん据え付けてありませんので、夜暑くて寝られなくても窓を開けるか扇風機を使うしか対処法がありません。ただし、こちらにはあまり蚊がいないので、網戸のない窓(網戸そのものがイギリスには...
保護中: 【第7回】欧州通勉事情「大学の通訳コース:PSIモジュールについて」 【会員限定コンテンツ】 公共サービス(Public Services)と言ってもいろいろありますが、イギリスではその通訳はHealthとLegalに分けられています。上記にある通り、PSIのLegalは法廷以外での通訳も含まれており、PSI Legal=法廷通訳 ではありません。 PSIとはPublic Service Interpreterの頭文字をとったことばで、一部では「コミュニ...
保護中: 【第6回】欧州通勉事情「平松・坂井対談(於バルセロナの地下鉄)」 【会員限定コンテンツ】 今回はいつもロンドンベースに寄稿頂いている坂井裕美さん、平松里英さんお二人の対談形式でお送りいたします。(以下略称省略) ***************** 坂井:今回は大学院の後半に行われる模擬会議の演習で学んだことについての対談です。EU/UNモヂュールは学生たちが4つのグループの分かれて、トピックの選定から会議の運営まで全て自分たちで行います。 ...
保護中: 【第5回】欧州通勉事情「リレー通訳の授業~挑戦!6分間のロング逐次」 【会員限定コンテンツ】 ロング逐次 初回で紹介しましたが、EUの認定通訳者になるための試験には6分間のロング逐次通訳があります。スピーカーが6分間延々と話し続ける間に通訳者はひたすらメモを取り、それから一気に6分間分を訳出します。皆さんご存知のように、訳出はオリジナルより若干短くなることが理想です。 この試験を受けられるような候補者の育成も会議通訳科の目標の一つですので、もちろん授業中に...
保護中: 【第4回】欧州通勉事情「リレー通訳の授業~多言語クラスの最大の魅力(後編)」 【会員限定コンテンツ】 前編はこちらから To B or not to B Into B (B言語方向への通訳)の議論も進化し、ロシア・東欧の通訳教育の中で主張されてきたA言語からB言語へ訳すことのメリット(comprehension bonus)が受け入れられ、表現のデメリット(expression deficit)と対比して話し合われるようになりました。 ※参照 “Can an...
保護中: 【第4回】欧州通勉事情「リレー通訳の授業~多言語クラスの最大の魅力(前編)」 【会員限定コンテンツ】 本共同連載の第4回は坂井さんからタッチ交代し、私、平松の担当です。 連載の第4回、今回はイギリスの大学における通訳コースの授業の中でも、貴重な機会である多言語環境と日→英通訳について、お話ししたいと思います。 読者の皆さんの多くは、私と同じA・B言語の組み合わせ(日本語がAで英語ないし他言語がB)のコンビネーションの方が多いのではないかと思いますが、市場が...
保護中: 【第3回】欧州通勉事情「スピーチ訓練の効能-Think on your feet!」 【会員限定コンテンツ】 今回からは、わたしたちが通った会議通訳コース*で行われた訓練内容のいくつかを取り上げて細かく見ていきます。今月はスピーチ訓練についてです。 (*注 平松さんと坂井が履修した期間は重なっていません。) 初回でも書いたように、わたしたちのコースでは原稿を読み上げずにスピーチができるようになる能力が重視されていました。訓練の仕方は、例えば初めは予め与えられていたトピ...
【第2回】欧州通勉事情「ジェネリックの授業(言語別でない授業内容―トピックや演習について)」 皆さん、こんにちは。イギリス在住通訳者の平松里英です。この連載では通訳仲間の坂井裕美さんと交代で、毎月コラムを執筆させていただいており、今回は私の担当となります。前回は第一回ということで、修士課程会議通訳科のカリキュラムを坂井さんから紹介してもらいました。 前回も触れましたが、私は会議通訳科ではなく、通訳科を専攻しましたが、この二つのコースの違いは、ともに6つあるモジュールのうち...
【第1回】欧州通勉事情「ヨーロッパでの通訳勉強~はじめの一歩」 皆さんこんにちは。坂井裕美(ひろみ)と申します。イギリスのロンドンを中心にフリーランスの英日会議通訳者として活動しております。日本国内の通訳者さんの中にもヨーロッパの大学院で通訳の勉強をすることに興味を持っている方が多いとJACI本部から伺い、この度ロンドンの通訳仲間である平松里英さんと交代でこの連載を担当させて頂くことになりました。さまざまな項目のなかで、「通訳の訓練に役に立っているが、日本の通...
【第6回】通訳者・翻訳者の子育て「バイリンガル子育ての道は険しい! 我が家のヘタレ例と他家の成功例」 (執筆:通訳者・坂井裕美) いきなり情けないタイトルで申し訳ありません。私は現在英国在住通算18年目の英日通訳者です。英国人との夫との間に17歳(男)、14歳(女)、12歳(女)の3人の子どもがおります。しかし、この記事のタイトルからもわかるように、私はバイリンガルの子どもに育てるための努力はそれほどしておりません。その理由はほかの国際結婚の父兄の頑張りを見ていてあまりにも大変そうだったので...
【第21回】現役通訳者のリレー・コラム「イギリスの通訳業界事情」 (執筆・坂井裕美) 皆さん、初めまして。わたしはロンドン在住の英日通訳者で坂井裕美(ひろみ)と申します。働きながら大学院の会議通訳コースにも通っています。小・中・高校生の3人の子どもを持つ年季入りのおばさんではありますが、通訳歴はまだ4年半です。 つまり、わたしも今、流行り(と勝手に決める)の「中年過ぎの通訳者デビュー」だったのです。それ以前は18年間、専業主婦をしていました。専業主婦...