探査工学

【第5回】探査工学から見た地球と宇宙「カーボンニュートラルについて(4) 」

地熱発電について 前回のコラムで二酸化炭素地中貯留(CCS)のことを書かせていただきました。今回紹介する地熱発電も、地球を利用してCO2の削減に貢献できるエネルギーです。 地球の内部はとても熱く、日本では火山地帯でない普通の場所でも1000m掘削すれば温度は45度くらいになります。当然地球の中心部(核と呼ばれる場所)はさらに熱く、5000度を超えると考えられています。その熱は大きなエ...

【第4回】探査工学から見た地球と宇宙「カーボンニュートラルについて(3) 」

前回のコラムで、CO2フリーの水素社会を実現するには、当面の間はCO2地中貯留が重要な役割を担うことをお伝えしました。残念ながら、このCO2地中貯留は日本ではあまり認知されていませんので、ここで紹介させて頂きます。 CO2地中貯留とは、火力発電所や製鉄所などでCO2を回収し、それを地中に貯留することで、大気中のCO2の排出を減らそうというプロジェクトです。CCSまたはCCUSというキーワー...

【第2回】探査工学から見た地球と宇宙「カーボンニュートラルについて(1) 」

人間活動による二酸化炭素(CO2)の排出増加によって、気候変動が引き起こされていることは間違いないとされています。大気中のCO2濃度は、産業革命前に比べて約1.5倍にまで増えています。この急激なCO2の増加は、気温の上昇だけではなく、海水温の上昇など全地球システムに影響を与えています。地球システムは複雑で微妙なバランスの上で釣り合っていますが、近年の急激なCO2の増加はこの地球上のバランスを速い...

【第1回】探査工学から見た地球と宇宙「地震について」

今日は、最近、頻発している地震について書かせていただきます。あまりニュースや教科書に載っていないことを、できるだけ分かりやすく書かせていただきたいと思います。 2011年東北地方太平洋沖地震の前は、地震学者は、地震の予知に向けて研究を行い、それなりに自信を持っている研究者も多かったと思います。特に東北沖の日本海溝では周期的に地震が起こってきました。そのため、どの場所で、どれくらいの規模の地...