【第7回】駆け出しのころ「亀さん通訳は今もゆっくり進んでいる」 「私はプロになれるのだろうか」「いまやっていることは本当に役に立つのだろうか」―デビュー前に誰もが抱く不安、期待、焦燥。本連載はプロ通訳者の駆け出しのころを本人の素直な言葉で綴ります。 *** バレリーナ、スチュワーデスと変遷した私の憧れの職業が通訳という今の職業に固定したのは中学生の時でした。中学の時に出会ったドストエフスキーの『罪と罰』の読後感は、後にも先にもない衝撃的なものでした。私が通訳に...