英文法

保護中: 【最終回】遠田和子の無手勝流英文法「ことばを吟味するーレジスターと語源」

この連載は無手勝流ながら一応「文法」について語るもので、文法とは単語を並べて文にするときの配列や語形変化の規則です。今回は文法から少し離れ、文の構成要素である単語に焦点を当てて、ことばの選択が文や文章全体に与える影響を考えます。キーワードは「レジスター(register)」と「語源(etymology)」の2つ。 最初に次のAとBを読んで違いを感じてください。 Stars t...

保護中: 【第8回】遠田和子の無手勝流英文法「Punctuation is Powerful」

今回はpunctuation(句読点)にまつわるお話です。「テンとかマルの話?通訳には関係ないし、つまんなそう。」そんなことないですよ。カンマ (,)やピリオド(.)などのちっぽけな記号には文の意味をガラリと変えてしまう力があります。 少し古い話ですが、下記のフレーズに見覚えあるでしょう。これは2015年のアメリカ大統領選挙中、ヒラリー・クリントン候補が選挙キャンペーンでツイートしたスロー...

保護中: 【第7回】遠田和子の無手勝流英文法「所有の表現」

今回は英語での所有に係る表現(所有格、アポストロフィs、前置詞of)についてお話します。 かなり以前のことですが、The New York Timesのオピニオン・ページに掲載されたThe Trouble With Intentionsと題されたエッセイが印象に残っています。このエッセイの主題は「文章は著者の手を離れて独り立ちできるよう明快に書かなければならない」ということ。「自分はそのつ...

保護中: 【第5回】遠田和子の無手勝流英文法「前置詞と強い動詞で英語らしさ」

前回、前置詞を使いこなすには、空間イメージを捉えることが大切だという話をしました。今回のテーマは、位置や方向を表す前置詞と強い動詞の組み合わせ。これを使いこなすと、英語らしいパンチの効いた表現ができるようになります。 まず連載第4回で、onの基本イメージは「2次元での接触」、inの基本イメージは「3次元の中にいる」であると述べました。前置詞の選択により、微妙なニュアンスの違いが生まれること...

保護中: 【第4回】遠田和子の無手勝流英文法「前置詞は基本イメージを掴む!」

当連載では過去3回にわたり英語の冠詞について書きました。今回は冠詞と同じくらい苦手意識を持つ人が多いと言われる前置詞を取り上げます。 前置詞は慣用的な用法が多く、日本語の助詞と対応して覚えても使えないことがよくあります。たとえば、「の」に対してofは最も思いつきやすい前置詞です。ところが「ドアの鍵」はthe key of/to the doorですが、「成功の鍵」ではofではなくtoを組み...

保護中: 【第3回】遠田和子の無手勝流英文法「aかtheか」

英文を書いているとき、「う~ん、ここはaかな、それともtheかな」と迷った経験があるでしょう。迷った末に「なんとなく、適当に」選択したことはありますか?今回はaかtheかを見極めるときに使える無手勝流キーワードを紹介します。 まずはaです。aは数えられるモノ(可算名詞)に付く冠詞ですから、大前提として「境目がある」ことを表します。他と区別できるからこそ数えられるわけです(詳しくは連載第2回...

【JITF2021】倉林秀男 「オスカー・ワイルドで学ぶ英文法」

倉林秀男 杏林大学外国語学部教授(英語文体論)。オーストラリアニューカッスル大学修士課程修了、獨協大学大学院博士後期課程単位取得退学。修士(英語文化研究)、Master of Applied Linguistics(The University of Newcastle, Australia)、博士(英語学)。埼玉県や東京都の中学校や高等学校で教鞭をとり、2005年4月に杏林大学外...

保護中: 【第2回】遠田和子の無手勝流英文法「境目を意識せよ」

前回に続けて冠詞の話です。第1回では、日本人に特徴的な冠詞ミス「裸の C」(可算名詞の単数形を a, the, s 等なしの無冠詞で使う)を取り上げ、根本原因は日本語の名詞が不可算であると書きました。日本語ではモノに言及するとき「数える」必要がありません。 お昼におにぎりを食べました。 仕事でクライアントがこんな発言をしたら、皆さんはどのように訳しますか。ate a rice bal...

保護中: 【第1回】遠田和子の無手勝流英文法「『裸のC』に気をつけろ」

初めまして、翻訳者の遠田和子です。私は長年にわたり日英翻訳に従事し、その傍ら翻訳学校で英訳のクラスを担当しています。今月スタートの当連載では、通訳プロの皆さまに役立つ情報を提供できるよう頭を絞ります。タイトルにある「無手勝流」の意味は、「自分勝手の流儀・自己流」です(「戦わずに勝つ」の意味もありますが、戦いに挑むつもりはありません)。退屈で面白みに欠ける文法解説ではなく、私が日英翻訳で日々格闘す...