辻 健

【第3回】探査工学から見た地球と宇宙「カーボンニュートラルについて(2) 」

一つ前のコラムで、太陽光発電などで余った電気を使って水素を作ることができれば、電気が足りない時にその水素を使って電気を作ることができることをお伝えしました。つまり水素は、不安定な再生可能エネルギーが普及する上で課題となっている「蓄電」の問題を解決するポテンシャルを持っています。しかし、余った電気から水素を作るにはコストがかかり、実用化までには少し時間を要すると考えられています。 さて水素に...

【第2回】探査工学から見た地球と宇宙「カーボンニュートラルについて(1) 」

人間活動による二酸化炭素(CO2)の排出増加によって、気候変動が引き起こされていることは間違いないとされています。大気中のCO2濃度は、産業革命前に比べて約1.5倍にまで増えています。この急激なCO2の増加は、気温の上昇だけではなく、海水温の上昇など全地球システムに影響を与えています。地球システムは複雑で微妙なバランスの上で釣り合っていますが、近年の急激なCO2の増加はこの地球上のバランスを速い...

【第1回】探査工学から見た地球と宇宙「地震について」

今日は、最近、頻発している地震について書かせていただきます。あまりニュースや教科書に載っていないことを、できるだけ分かりやすく書かせていただきたいと思います。 2011年東北地方太平洋沖地震の前は、地震学者は、地震の予知に向けて研究を行い、それなりに自信を持っている研究者も多かったと思います。特に東北沖の日本海溝では周期的に地震が起こってきました。そのため、どの場所で、どれくらいの規模の地...